【編集後記】
●4月号編集作業の最後の段階で飛び込んできたロシア軍のウクライナ侵攻の報。ウクライナは、ウクライナ語を母語とするウクライナ系住民が多い西部とロシア語を母語とするロシア系住民が多い東部から成っています。神奈川大学の羽場久美子教授は、ウクライナの現代史について、「『民主化』を煽り、国内の不安定化や、民族間、宗教観の対立をあおって、紛争を拡大していった、先進国の責任は大きいと思います。典型的なのが、ウクライナのマイダン革命(尊厳革命:注2014年)、そしてその後、大統領選で西側の支援を受けたチョコレート王ボロシェンコが、選挙勝利宣言後、最初に行ったウクライナ東部との内戦です」(『経済』2月号)と指摘されています。
その東部2州(ドンバス地方)に高度な自治権を与えるという「ミンスク合意」が実現せず、独立を求めるこの2州へのロシアの対応が問われていると思っていましたが、ロシア軍は首都ミンスク郊外まで侵攻、国家主権及び領土保全の権利尊重を定める国連憲章に違反する行為で、本誌は強く抗議し、即時停戦、和平協議の進展を求めます。
ロシアへの強い批判、反戦平和の声と共に、アメリカがウクライナのNATO加盟を支持し軍事援助を強化、ロシアへの対抗と緊張を狙ってきたことへの批判的視点も欠かせないと思います。
●今月号は、2022春季生活闘争の真っ最中にふさわしく、山下競子さんから「地域の小さな労組〈ふくほくユニオン〉」のレポート。小さくとも未組織・非正規の仲間に寄り添う地道な取り組みに接して下さい。中村吉則さんは、先月に続く自治会奮闘記。今回は、自治会の取り組む募金活動をめぐる疑惑・おかしさがテーマとして突き出され、その鋭さと行動力に敬服です。
●照屋寛之先生は、先の名護市長選の残念な結果を米軍再編交付金との関連で検証して頂き感謝です。ウクライナ事態では、プーチン大統領の「核兵器威嚇」発言、安倍元首相の「核共有」発言があり、27回も会ったというこの2人、共鳴しています。青木栄さんから核廃絶にむけた丁寧な論理と活動が報告され励まされます。(山内正紀)
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