【編集後記】
●岸田内閣の2022年度予算案+21年度補正予算を、経済ジャーナリストの蜂谷隆さんに批判して頂きました。分かりやすく特徴と問題点が指摘されています。まず注目されるのが、「抜け道」として使われたり不透明な基金が乱立したりする補正予算の歪さ。新年度予算では、「新しい資本主義」の分配重視策の中途半端さ、軍備拡充、「脱炭素」へやる気のなさが強調されて、理解が深まります。
岸田首相の分配重視の政策の中心が賃上げです。岸田首相は連合の旗開きに参加。首相が議長の「新しい資本主義実現会議」のメンバーに芳野友子連合会長を選任して、連合の岸田政権への期待も高そうです。そうした中での2022春闘は如何に。木庭健一さんからは〈春闘変節の歴史〉と〈今日的意義〉が問われています。取り組みに生かして下さい。
●河辺一郎先生の〈視点〉は、憲法施行75周年にちなみ、敗戦後の憲法制定と国体護持との関わり、今日の「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する付帯決議」による有識者会議報告に関連して、その行方が問われる天皇制が論じられています。
現場からのレポートを3つ。まず〈私、自治会長に当選してしまいました〉と中村吉則さん。自治会騒動を通して市民意識・地域民主主義の実際が面白くかつラジカル(根源的)に問われます。新自治会長に信任された中村さんですが、旧グループの役員全員が辞任し、さあ大変。続きは来月号で。
今泉克己さんは、憲法にうたう「義務教育の無償化」を「学校給食の無償化」から追及。鈴木智さんのヘイトスピーチ問題は、川崎市ヘイト禁止条例を追った昨年8月号に続くもので、今後にも期待しています。
●鎌倉孝夫先生の「資本論全三巻解読」は2回目。読了へ粘りと努力が必要と思いますが、先日、「難しいが挑戦します」と読者から電話を頂き、感じ入りました。さあ、続きましょう。
岸田首相によって、「任命には応じられない」とされた日本学術会議「任命拒否」問題。藤岡寛己先生から21年3月号に続く〈再考〉です。政府の真の目的は「6名の排除ではなく、軍事研究を妨害する学術会議の抜本的改変・解体」。これに研究者がどう立ち向かい、闘うのか。藤岡先生の主張・提言が展開され鮮やかです。(山内正紀)
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