【編集後記】
●例年の豪雨被害。今年も熱海で土石流が発生するなど甚大な犠牲が出ました。亡くなられた方々に哀悼の意を表し、被害に合われた皆様にお見舞い申し上げ、1日も早い復旧を願います。
●コロナで菅政権の大失態が続き、30%を切る支持率調査も出ました。7月末、コロナ感染者は東京で1日3000人を超え、″東京など首都圏には近づくな!”とされる状況。全国でも1日1万人超え。くれぐれもご注意下さい。
さて今月は、ドイツ緑の党など欧州政治が専門の小野一先生からご寄稿を頂きました。ただテーマは、先生研究の「放射性廃棄物の処理問題」。脱原発運動にとって避けることのできない問題だと思います。寿都問題をどう捉えるのか、批判するだけでよいのか。EUでの論議をもとに「不利益の公正配分」などこの問題に関わり論じるべき重要な観点が理解できると思います。
●私の青年運動時代の83年、上海にある中国共産党第1回大会記念館を訪れ、質素な展示に感じ入ったことを覚えています。その中国共産党が創立100年。時代は変わり記念館も何度かリニューアルされたそうですが、いま中国は何をめざすのか、鎌倉孝夫先生のタイムリーな(診断〉です。習近平総書記演説の分析から、一国でなく労働者・勤労人民のインターナショナルな関係を築く必要性が指摘されています。
なお鎌倉先生が昨年末に『「資本論」エッセンス』(時潮社)を発刊されました。〈全3巻を読むことの意味〉など面白く、資本論の新たな発見があり、お薦めです。
中川徹さんは東京都議選。その総括・教訓からきたる総選挙へ立憲野党の共同の前進を期待する姿勢が鮮明です。
●福留久大先生の〈人新世時代の社会主義〉。今月は、60安保での社会党・浅沼委員長刺殺事件から書き起こされ、肝心の〈労働力商品化止揚〉へと一気に展開されています。斎藤幸平理論の弱点指摘も注目!
柏井宏之さんからは東京五輪下の生活困窮者の状況。五輪報道は賑やかですが、五輪のせいでビジネスホテルから追い出される困窮者の姿は伝えられていません。藤岡寛己先生は〈東京五輪まえ騒動〉記。一方、〈スポーツ時評〉の中森稔博さんは東京五輪開催の意義を強調。そこにあるのは選手の思いに寄り添う中森さんのスポーツマンとして姿勢だと思います。東京五輪は8月8日に閉会します。(山内正紀)
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