【編集後記】
●「菅さん小池さん、なぜオリパラを強行開催するのですか? 早く中止を決断してください」と、コロナ感染と医療逼迫を心配する市民連合の駅頭宣伝も行われる中、今夏東京オリ・パラの開催が強行されようとしています。3月開幕のプロ野球はセは阪神、パではオリックスが好調で盛り上がっていますが「有観客のプロ野球でクラスターは起きていない」、「開会さえしてしまえば盛り上がる」という
理屈が強行策の根底にあるのでしょう。
しかし、東京オリ・パラで世界各国から集まる選手・関係者は約9万4000人とか。プロ野球と同じに論じるわけには行きません。オリ・パラにつき影響を及ぼすのはやはりメディアですが、浅野健一先生に書いて頂きました。
森本清彦さんの〈マンガ〉のテーマもオリ・パラ。河辺一郎先生の〈視点〉では、国連での拒否権行使をめぐって南の国の期待を裏切る中国の姿勢が指摘され、国際協調の意味が問われています。
●現地レポートを3つ。まずは球磨川氾濫で記憶が鮮烈な「令和2年7月豪雨」水害の現地より、小川祐弘、小川俊治、宮川続さん共同の迫真のレポートです。文中に紹介の「河辺川ダム」問題。以前に生駒研二さんの「くまがわ共和国」を連載してきた本誌としては、その行方が気にかかります。
鈴木智さんからは〈ヘイトスピーチとの闘い〉。ヘイトを許さない罰則規定付きの川崎市条例を制定した運動のリーダー・飯塚まさよし市議への取材をもとにしたものです。本誌からも飯塚市議に感謝申し上げます。
柏井宏之さんからの「白い杖の留学生国際大会」報告。視覚障害者の国際交流・連帯を図る活動に学びました。
●4月号からスタートした福留久大先生の〈人新世時代の社会主義〉は連載5回目。今月は大内秀明先生と本誌でおなじみの鎌倉孝夫先生の社会主義論をテーマにしての論稿。藤岡寛己先生の〈評論〉では、作家・北条民雄を取り上げ、コロナ感染とハンセン病とで類似する社会的差別とその克服という課題が問われています。(山内正紀)
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