【編集後記】
●本誌5月号の「主張」で紹介した社民党PT「核のない北東アジアを」でのゲストのお一人は湯浅一郎さん、今月号にご寄稿をお願いしました。
湯浅さんが代表のNPO法人ピースデポは積極的な研究・活動を展開されています。今年2月には、「核兵器禁止条約が発効した今こそ、『核の傘』政策
からの脱却にむけ北東アジア非核兵器地帯構想の真剣な検討を求める」要望書を日本政府に提出。そのピースデポの非核平和構想を誌面に学び受け止めて下さい。
●鎌倉孝夫先生の〈診断〉のテーマはは米中対立激化。バイデン米新政権の対中国政策、菅訪米による日米共同声明・台湾認識の分析をふまえ
その本質を批判。主張されるのは「反帝国主義連帯」ですが、中国に関し本論最後の部分の記述が注目です。
河辺一郎先生の〈視点〉は朝日が取り上げた対中経済安保。経済権益優先の日本外交の歴史が問われる今、朝日の右派論調への接近と「自国外交」を検証する大事さが指摘されています。
●コロナ災害の現場から柏井宏之さん。GWでの大人食堂のレポートで、「困窮が直撃する社会階層」を焦点化し、入管法、ウィシュマ・
サンダマリさんの問題にも言及した提起になっています。新潟市議の青木学さんからは、「気候危機対策」「コロナ禍での飲食店支援」「公文書管理条例」の3つの重要なテーマ。自治体と議員の果たすべき役割が突き出されて参考になります。
●福留久大先生の「人新世の社会主義」論は連載4回目。前回は斎藤幸平氏の論の核心である〈コモン再生〉に論及されましたが、今月はさらに深堀りされています。
藤岡寛己先生の〈乱反射〉。取り上げられた柳美里の小説は、先生紹介の原武史氏の文庫本解説に照らして天皇論・政治小説として評されることが多いのですが、先生は否定的。原フアンの私には少々ショックですが、先生の柳美里解読、「在日」作家論を読み返してみたいと思います。
(山内正紀)
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