「進歩と改革」No.835号   --2021年7月号--

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■主張 閉会迫る第204回通常国会
 ―国民投票法改正案の衆院可決とと入管法改正案の廃案


核禁条約発効の今こそ、北東アジア非核兵器地帯条約を   湯浅 一郎

■鎌倉孝夫の〈政治診断〉

 米中対立激化―反帝国主義連帯確立を 

◆国際政治の視点                    河辺 一郎

 対中経済安保

マンガ●FALSE HOOD234                 森本 清彦

「五輪の夢実現のためには、誰もが幾らかの犠牲を必要とされる」(T.バッハ)
  稀代の狂慾IOC、「汚輪・パラー」の暴走!

「GW大人食堂」に若者と外国人             柏井 宏之
 ―コロナ災害の困窮が直撃する社会階層―

■新潟市議会レポート                  青木  学
 気候危機対策・飲食店への支援・公文書管理条例制定の取り組み

◆高根英博作画・文 [マンガ・戦後を審問する第12回]

 市川白弦

資本主義の核心的矛盾―人新世時代の社会主義(4)    福留 久大

◆〈乱反射〉・・・・文化・社会・政治評論        藤岡 寛己

 『JR上野駅公演口』を読む
   ―震災後‐社会派小説か政治小説か(下)

■スポーツ時評                     中森 稔博

 遥かなるマスターズ


【編集後記】

本誌5月号の「主張」で紹介した社民党PT「核のない北東アジアを」でのゲストのお一人は湯浅一郎さん、今月号にご寄稿をお願いしました。 湯浅さんが代表のNPO法人ピースデポは積極的な研究・活動を展開されています。今年2月には、「核兵器禁止条約が発効した今こそ、『核の傘』政策 からの脱却にむけ北東アジア非核兵器地帯構想の真剣な検討を求める」要望書を日本政府に提出。そのピースデポの非核平和構想を誌面に学び受け止めて下さい。

鎌倉孝夫先生の〈診断〉のテーマはは米中対立激化。バイデン米新政権の対中国政策、菅訪米による日米共同声明・台湾認識の分析をふまえ その本質を批判。主張されるのは「反帝国主義連帯」ですが、中国に関し本論最後の部分の記述が注目です。
 河辺一郎先生の〈視点〉は朝日が取り上げた対中経済安保。経済権益優先の日本外交の歴史が問われる今、朝日の右派論調への接近と「自国外交」を検証する大事さが指摘されています。

コロナ災害の現場から柏井宏之さん。GWでの大人食堂のレポートで、「困窮が直撃する社会階層」を焦点化し、入管法、ウィシュマ・ サンダマリさんの問題にも言及した提起になっています。新潟市議の青木学さんからは、「気候危機対策」「コロナ禍での飲食店支援」「公文書管理条例」の3つの重要なテーマ。自治体と議員の果たすべき役割が突き出されて参考になります。

福留久大先生の「人新世の社会主義」論は連載4回目。前回は斎藤幸平氏の論の核心である〈コモン再生〉に論及されましたが、今月はさらに深堀りされています。
 藤岡寛己先生の〈乱反射〉。取り上げられた柳美里の小説は、先生紹介の原武史氏の文庫本解説に照らして天皇論・政治小説として評されることが多いのですが、先生は否定的。原フアンの私には少々ショックですが、先生の柳美里解読、「在日」作家論を読み返してみたいと思います。 (山内正紀)