【編集後記】
●今月は鎌倉孝夫先生に、「新型コロナ危機」を論じていただきました。GDPや雇用、グローバル経済、国家の財政支出、株価高騰などが論じられるとともに、「コロナ不況は、…たんなる経済不況ではなく、人間の生存自体の危機をもたらすものである」との指摘が重く響きます。問われるのは人間の社会関係―生存・発展の基礎とのこと。そうした課題に、発足した菅政権の「自助・共助・公助」論などで対処できるのか、突き付けられています。
●菅政権はアベ後継政権。河辺一郎先生がまず、安倍政権総括に関して、問うべきは外交とし、安倍外交政策を評価する朝日・毎日新聞を鋭く批判。これは両紙に限らず、リベラル勢力全体への大事な提起です。
福留久大先生は「熟議民主主義」論。米国大統領選に関連したテーマから、急遽、菅政権誕生の過程で問われた日本の民主主義に論及。文中に提起のアッカーマンの主張(熟議の日・投票給付金)について、読者の意見をお寄せ下さい。森本清彦さんは菅首相を「継承亜流男」と一刀両断です。
●今夏、5年ぶりに行われた中学校教科書の採択。育鵬社版の「歴史」「公民」が大幅に減りました。その全国的な状況と滋賀における教科書市民運動を木村幸雄さんにご寄稿いただきました。鋭く深い考察と地道な実践の報告・提起に感謝です。
柏井宏之さんからは「コロナ災害緊急アクション」の第3弾。最底辺への眼差しが見えなくなりかけた中で展開された大切な行動です。
藤岡寛己先生の「吉本隆明『共同幻想論』斜め読み」。昔、若いころに評判のこの本を買ったのですが読みもせず、今や行方知れず。吉本隆明といえば、本誌に
古代史を案内の室伏志畔さんに『方法としての吉本隆明』という、吉本評価の本があります。こちらは何とか読んでみたのですが…… 今回の藤岡先生の論評をうけて、深めてみたいと思います。
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