「進歩と改革」No.822号   --2020年6月号--

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■主張 安倍首相の「緊急事態宣言」発令に思う

世界経済と新型感染症                     福留 久大
 ―暗夜に光明を探る試み(上)

新型コロナと日本の国家システムの闇              山崎 一三

◆国際政治の視点                        河辺 一郎

 安倍政権の混迷       

マンガ●FALSE HOOD220 

 明日なき世界・U3                     森本 清彦
 NWO・アジェンダ、パンデミック始動?

●〈乱反射〉***文化・社会・政治評論             藤岡 寛己

 中村哲さんを殺したのは誰か                   

◆高根英博作画・文 [マンガ・戦後を審問する第1回]

 高橋和巳

■チーム鎌倉の〈経済診断〉

 「社会主義の崩壊」から30年、今『資本論』を学ぶ意義(下)  渡辺 好庸
  ―新しい社会の創造を目指す人たちへの『資本論』のすすめ―

総人件費抑制攻撃に屈した2020春闘               木庭 健一

新潟県「木崎村小作争議」に学ぶ(4)             阿部 紀夫

 3年の法廷闘争で結審・敗訴

◆スポーツ時評                        中森 稔博

 藤浪と大谷


【編集後記】

「T・S・エリオットという詩人を知っている?」博識な友人に聞かれました。「知らん、ゴメン。その方面にはとんと疎くて」。疎いのは文学だけではありませんが、エリオットの『荒地』という作品の中の詩「死者の埋葬」に「4月はいちばん残酷な月だ」という一節があり、これは有名とのこと。「緊急事態宣言」が発令された4月”を取り上げての問いかけでした。「宣言」は延長、「残酷な月」が続きます。皆さん、くれぐれもご注意下さい。やはり、手洗いが一番とのこと。

今月は新型コロナ関連で、まず福留久大先生。故馬場宏二東大名誉教授の業績を論じる著作『現代世界経済』が〈新型コロナの襲撃によって露呈された現代経済の特徴を照射する〉ものとして取り上げられており、今後の動向を注視せねばなりません。
 日本の新型コロナ感染対策で指摘されるのがPCR検査の少なさです。なぜなのか? 山崎一三さんがその闇”に論及。河辺一郎先生は本誌4月号の若者の安倍政権支持の〈変動〉に関連して現状を提示。危機管理対応能力等が鋭く分析され、理解が深まります。

新連載が始まります。筆者はグラムシ研究の藤岡寛己先生。〈乱反射***文化・社会・政治評論〉とタイトルし幅広いテーマを論じて頂く予定で、初回はペシャワール会員である藤岡先生が中村哲さんという存在に寄り添い、その生涯を貫いた理念を鮮やかに浮かび上がらせています。高根英博さんのマンガはテーマが〈百年戦争物語)から〈戦後を審問する〉へ。全共闘世代には懐かしい忘れられた高橋和巳の登場ですが、高橋和巳も問われていると!

渡辺好庸さんから前号に続く「資本論のすすめ」。資本主義の分析から未来社会へ、丁寧な論理が展開されています。「賃上げ不発 春闘転機」と新聞見出しにされた今年の春闘の総括は木庭健一さん。春闘はダメだったけど新型コロナ感染対策での労働者保護へ、連合はぜひぜひ奮闘を! (山内正紀)