【編集後記】
●新しい年をむかえて1月4日、2月号を校了しました。2018年は明治維新150年で、「幕末維新博」など観光イベントに利用され、街の書店には、NHK大河ドラマに決まった西郷どんや維新関連本が平積みされています。教育勅語礼賛など復古主義・国家主義の風潮が高まる今、どう明治維新と150年が論じられるのか、注視しなければなりません。今年1年、どうか宜しくお願いします。
●アベノミクスの成功が喧伝される中、福留久大先生がその「明と暗」。豊富な資料を使って、分りやすく解説して頂きました。「安倍政権の詐欺紛い行為に騙されないために」と福留先生。春季生活闘争を前に、学習会に最適です。
ノーベル平和賞のICANと核兵器禁止条約について、原発はごめんだヒロシマ市民の会の木原省治さんに書いてもらいました。木原さんは受賞の原点にあるのは「被爆者の揺るぎない努力と気持ち」とし、その立場から広島で覆い隠された被爆者の闘いの歴史にスポットを当てています。木原さんが「碑めぐり」で出会った中学生の言葉が『ヒロシマの在る国』。その感性に驚き、拍手しました。
ICANに続け! 高校生平和大使の活動がノーベル平和賞候補にノミネートされるとのことです。青木栄さんが20年目を迎えた高校生平和大使の活動と今後の展望を提起。被爆の歴史を現在にどう伝えるのか、被爆体験がなくても伝えられるのか。大事な指摘が行われています。
●河辺一郎先生が問うのは、エルサレム問題でのトランプ大統領と北朝鮮問題での日本政府の同類・同質性で、日頃気づかない大事な視点です。
渡辺好庸さん、兒嶋俊郎先生の論稿は、いずれも前月号から続くもの。渡辺さんは、「平和な戦後」の内実を問い、現在、歴史修正主義者が進める「戦後の否定」は「戦後自体の帰結である」と刺激的です。兒嶋先生からは、米軍従属下に発足した自衛隊への旧日本軍出身者採用の実態、米軍諜報関係者との関りが具体的氏名をもって記述され、衝撃的な姿が解析されています。
●柏井宏之さんの日韓社会的企業セミナーの報告では、従来にも増して韓国での運動の前進が実感されます。それに比べて立ち遅れる日本の原因を分析。この柏井さんの社会的企業論と、渡辺好庸さん提起の「資本に依存しない労働と生活」論は、問題意識が共通化していると思います。
増永周一さんからは、安倍改憲NO!全国市民アクションが熊本県でキックオフ!。2018年、安倍改憲阻止の闘いへ全国各地で市民アクション立ち上げが求められています。(山内正紀)
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