【編集後記】
●第88回メーデーの5月1日、6月号を校了しました。今月は、共謀罪について3本の論稿。まずは福留久大先生が共謀罪に森友学園問題を加えて安倍批判。本誌3月号では浅野健一先生が「安倍首相のプーチン化」とされましたが、福留先生は「安倍政権のトランプ化」。その心は、「隠蔽」と「虚言」、「強弁」と「強行」における一致です。
先月号に初登場いただいた田中圭太郎さんが、大分県警の盗撮事件を取り上げて、「共謀罪」成立を待たずして拡大する監視社会を告発しています。現場取材の力強さが実感される文章です。
新潟の有田純也さんからは、共謀罪反対でご活躍中の海渡弁護士の講演を紹介。とくに「平成の治安維持法」批判の観点から共謀罪の問題が指摘され、勉強になります。
●河辺一郎先生は〈国際政治の視点〉で、“核兵器禁止条約会議への日本の参加を恐れていた”との主張。最初はドキンとしましたが、読み進めて理解できました。日本政府の反核に対する酷い姿勢を問いながら、左派の主張にも鋭く切り込まれています。
春闘総括については、いつもの山田俊忠さんです。連合傘下の主要産別・単組の獲得実績を紹介しつつ、連合に問われる課題が提起されています。今年の中央メーデーのポスターにも、「長時間労働の撲滅」「デーセントワークの実現」「今こそ底上げ、底支え、格差是正の実現を」とあります。労働と生活重視の政策へ転換するため、労働運動の強化が期待されます。
●日本の原発政策の分岐点として注目される柏崎刈羽原発の再稼働問題。矢部忠夫さんからは、タイトルもすばらしく、「柏崎刈羽原発廃炉への展望」です。望月漠さんから日朝国交正常化にむけた和田春樹先生の提起を紹介してもらいました。朝鮮半島をめぐる動きが詳述されて刺激的ですが、強調点は、オバマ政権のキューバとの「無条件国交回復」モデルにあり、それ日朝間に! 論議して下さい。柏井宏之さん案内の金起燮さんの報告にも注目を。
熊本大地震から1年。一刻も早い生活再建を祈ります。(山内正紀)
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