【編集後記】
●今月号の発行は、印刷所がお休みのGWを挟みますので、本誌が読者の皆さんに届くのはいつもより少し遅れて、5月中旬過ぎになります。野田内閣は消費税増税に突っ走っていますが、その論議は、GW明けに本格化するとのこと。福留先生に、消費税について書いて頂きました。時期はピッタシです。今回は、新手の増税論である「世代間格差」問題を含めて論及されていますので、学習と運動に活用下さい。
民主党内の消費税論議に大きな影響を及ぼすとされたのが小沢裁判です。4月26日、東京地裁で小沢一郎氏に無罪判決が出されました。森本さんには、判決を待ってマンガを書いて頂きましたが、小沢氏の顔が何やら嬉しそうです。
●前月号で河村名古屋市長の「南京事件」発言に触れて頂いた河辺先生。今月は、石原慎太郎東京都知事です。「都が尖閣列島を購入する」という石原発言は、日本の政治家やマスコミの批判の弱さとともに警戒されています。河辺先生は、石原氏を講演に招待した米国のヘリテージ財団を取り上げ、同じ保守派であっても、日米の歴史認識は共通しているのか?と問い、違いを指摘しつつ、「日本社会の現状をみると、せめて対米追従を望みたくなる」とまで言及されています。
尖閣列島問題とは違いますが、京大原子炉実験所の小出裕章助教の近著には、福島原発事故の深刻さに対する日米の差を取り上げ、「私はアメリカという国が大嫌いなのです。しかし、個人的な好みを排除して考えるなら、まだまだアメリカのほうがマトモな国だと思います」とあります。何か通底するものを感じざるを得ません。
●予想に反して与党が勝利した韓国総選挙の結果は、立教大学の石坂先生にお願いしました。先生の野党評価はかなり辛口ですが、これも12月大統領選へ野党の奮起を願ってのことでしょう。谷上嶐さんの文は、河辺先生ご指摘の歴史認識に関わっています。
憲法について、新津厚子さんと今泉克己さんから二本。新津さんは「60・9ナインにいがた」。最初、この60とは60年安保のことかと思いましたが、そうではなく「戦後60年目に憲法9条に賭けた」というものです。私も古いな!と自戒しましたが、新津さんの新鮮な文章、そして9条とあわせ人権へのこだわりと思いに満ちた熊本の今泉さんの報告をお読み下さい。
「闘う仏教!」の高根さんが、先の「ローザ・ルクセンブルク」に続き「アントニオ・グラムシ」を出版されました。一昨年に本誌に連載された「分裂するイメージ」も載っていますので、宜しくご購読下さい。(山内正紀)
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