【編集後記】
●今月は、小沢裁判に関連して2つの論文を掲載しました。4月26日の東京地裁での無罪判決、その後の指定弁護士(検察官役)による控訴が、日本の政治にどのような影響を与えるのか? 山崎一三さんには、「小沢vs検察」(検察の小沢潰し)という視点にあわせて、「社会民主主義者の課題」を提起していただきました。今後の政治展望のなかで、「大きな可能性として、二大政党ではなく、少数政党との連携関係をもった左右の二つの『政党ブロック』が形成されていくであろう」と指摘されており、これは重要な注目点であると思います。
この間、2回にわたって小沢問題を書いていただいている鎌田明彦さんからも今回、原稿が届きました。小沢裁判・無罪判決そのものを理解する上で大いに役立ちます。「追記」では、控訴への批判と今後の予測も!
河辺一郎先生の主張は、前月号に続くもので、日米の保守派の論理の違いについて理解が一層深まります。
●河野正輝先生に、「社会保障と税の一体改革」について、お聞きしました。国会で集中論議されている「社会保障と税の一体改革」ですが、その内容を断片的には知っていても、十分に理解しているとは言えません。河野先生には、一体改革案を具体的に、欧州社会民主主義が採ってきた政策に照らして、詳しく分かりやすく論評いただきました。17頁に及ぶ大作ですが、いっきに読んで欲しいと思い、一括掲載しました。
●水戸市議の玉造順一さんからは、社会主義青年インター世界大会の報告です。開催地の南米パラグアイまでの渡航費などは「自己負担」とのことで、玉造さんの社会民主主義へかける思いは強烈です。その玉造さん、今回の大会で採決された基本綱領を現在翻訳中で、本誌次号から連載する予定です。
鎌倉孝夫先生に今回とりあげていただいたのは、東京電力の「総合特別事業計画」です。その内容もいい加減な代物ですが、大事なことは、東電救済→「国家による独占体救済」という新自由主義が持つ本質で、それが解明されています。鳴海さんからは訪朝報告。
●29頁に案内したように、森本清彦さんの「異視界展」が6月26日〜7月2日の期間、開催されることとなりました。わが進歩と改革研究会が協賛します。本誌に掲載された「CROSS―EYES」「FALSE HOOD」シリーズからも作品が展示されます。会場は、東京駅八重洲北口からほど近い「田中八重洲画廊」。お近くの方、また上京の際は、是非お運び下さい。(山内正紀)
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