「進歩と改革」No.722号   --2012年2月号--

前号へ 2012年度一覧へ

■主張 2012年、野田政権へ対抗し脱原発社会の実現を!

■国際政治の視点[特別篇] 
「茶会」と「ウォール街」−米国政治の変動          河辺 一郎

◆マンガ FALSE HOOD119
尽すウソ・マヤカシで固めた、底なしの虚妄世界・・・      森本 清彦

世界経済と財政の苦境                   福留 久大
―祝島の視点で観察する―

スウェーデン・フィンランドを訪ねる学習と交流の旅     奥 せつよ

北欧の高齢者福祉                     本間 伸子

脱原発社会へ、熊本からの報告               今泉 克己

政治や世論に訴える運動をつくろう!            鈴木  智
―さようなら原発1000万人アクションのこれから―

朝鮮の統一支持・日朝連帯の取り組みを           鳴海洽一郎

◆高根 英博 作画・文・構成「闘う仏教!」1
 宮沢 賢治

◆映画評論 成島 出監督「山本五十六」(東映作品)    深海 峯介
 「海軍善玉論」の虚妄

『労使関係のフロンティア―労働組合の羅針盤』の終章(下) 呉  学殊

政権は“破綻の道”を選んだ                木村  毅
―TPP問題を巡って―

●スポーツ時評 「3代目で身代はつぶれるか」        中森 稔博

【編集後記】

米国では11月に大統領選挙が行われます。その米国を河辺先生が国際政治の視点・特別篇として取り上げて下さいました。タイトルは、ズバリ「『茶会』と『ウォール街』」です。なかで銃規制と独占企業分割問題を例として米国保守派の理念・論理と矛盾が論述されており、これは米国政治・社会を理解する上で勉強になります。

福留先生には2010年10月号で、高校時代の学友の故郷である鹿児島県・甑島訪問を素材に「成長から成熟への転形」を書いて頂きました。今月は甑島から祝島へ。山口県・上関原発建設に反対する祝島の人々の原点は自然を愛する心情。福留先生は、その視座から世界の金融・経済・財政、そして消費税問題へと論及されています。
 ふくおか「北欧社会」視察団がスウェーデンとフィンランドを訪ねました。その報告を奥さんと本間さんから。ともに社会民主主義政党が後退している国ですが、社会民主主義が歴史的に築いてきた力は依然として生きています。

脱原発については、熊本の取り組みを今泉さん、今後の運動を1000人アクション事務局の鈴木さんから報告して頂きました。大晦日のテレビを見ていたら、1000万人アクションの呼び掛け人である著名なお一人が、署名が目標数に届かない現状に、「誰が1000万の目標を立てたか知らないが……」などと発言されていました。この評論家的な姿勢には腹が立ちましたが、署名運動が遅れていることは事実。まだまだ頑張りが必要です。注目の朝鮮問題は、鳴海さんです。

高根英博さんからは、新企画「闘う仏教!」シリーズが届きました。第1回は、宮沢賢治です。大震災に見舞われた東北では「雨ニモ負ケズ……」の宮沢賢治がブームになっているとのこと。高根さんが紹介されるのは、マルクスにも興味をもち労農党にもかかわったという仏教者・宮沢賢治像です。「変革者である仏教者を案内したい」との新シリーズを元に活発な論議を!
 森本清彦さんの漫画のタイトルは、「FALSE HOOD」へ変更です。フォルスフード、偽り・虚妄の頭巾と直訳すべきか? 森本さんによれば、「1%に象徴される、尽くウソ、隠蔽、捏造、歪曲の、構造腐敗に覆いつくされた週末的世界状況を、全て文字通りに『虚妄』にひっくるめ、端的に突き放した表現で、『明日なき世界』を意味させる複合名詞」です。(山内正紀)