「進歩と改革」No.721号   --2012年1月号--

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■主張 大阪ダブル選で圧勝した橋下「大阪維新の会」と民主主義の危機

3・11以後の新しい社会を一緒に               福島みずほ

東電原発「事故」大本営発表報道の問題点          浅野 健一

「さようなら原発1000万署名」の現場から          鈴木  智

◆マンガ CROSS-EYES 117「明日なき世界10」
掛かったぞ!逃がすなよ!                 森本 清彦

■国際政治の視点 日米のTPP論議            河辺 一郎

■鎌倉孝夫の〈経済診断〉分析篇
脱原発の政治経済的根拠
―脱原発の実現をめざして(4)―

コミュニティ・ユニオン全国交流集会in阿蘇         小野 博文

◆高根 英博 作画・文・構成[戦後精神とは何だったか?]13
 大塚 久雄

地域で始まったパーソナル・サポート            柏井 宏之
―ワークフェアとアクティベーション論の流れ―

◆映画評論 フー・メイ監督「孔子の教え」(中国映画)   深海 峯介
 古代中国の正議論

『労使関係のフロンティア―労働組合の羅針盤』の終章(上) 呉  学殊

●スポーツ時評 「育成と補強」              中森 稔博

【編集後記】

新年号です。TPPに反対するJAの皆さんの座り込みで騒然とする議員会館を訪ね、福島みずほ社民党党首にインタビューしました。脱原発への社民党の政策、TPP交渉や庶民増税政策などを進める野田政権への批判をお聞きしました。その後に届いたのが、米外交専門誌フォーリン・ポリシーが選ぶ「世界の100人」に、福島党首がお連れ合いの海渡弁護士が選ばれたとの報。脱原発運動への評価で、すごいことです。

浅野健一先生から、原発「事件」をめぐる報道の問題点についてご寄稿いただきました。この中で、福島第一原発・吉田所長の「死ぬだろうと思ったことが何度かあった」「何度も地獄を見た」という深刻なインタビュ―記事や、菅前首相に近い関係者から聞いた「こわ〜い話」が紹介されています。そして指導されているゼミの院生・学生の皆さんによる「記録」をもとに、現代日本のマスゴミの大本営報道が強く批判され、記者クラブ解体論が訴えられています。なお、『社会新報』には、先生の「メディア検証」が連載されていますので紹介します。

河辺一郎先生の今月の「国際政治の視点」はTPPについてですが、その視点はさすがに鋭く、「日本が不利になり得る場合は問題になっても、日本が有利で小国が不利益を被る場合には関心も寄せられない」とされ、日本のリベラルの問題点を指摘されています。頭をガツンとなぐられた思いで、TPPに対する視点を新たにしました。
 鎌倉孝夫先生からは、脱原発の実現をめざしての第4弾。注目してほしい一つは、冒頭に記されている日経と米戦略国際問題研究所の共同シンポで出された米側の発言です。これは、先生がこの間本誌に主張されてきた、米国核戦略下の日本原発管理=核不拡散への日本コントロールという論理の正しさを証明するものです。是非、お読み下さい。
 高根英博さんの「戦後精神とは何だったか?」は、埴谷雄高から始まり今月の大塚久雄で13回の連載が終わりました。次号からは新たな企画がスタートします。ご期待下さい。

先月の12月号、主張のページをめくってビックリ、そしてガックリ! 何と3ページ目の上下にあるはずの飾り罫が抜け落ちているではありませんか。印刷所に訊ねたところ、私が入稿したデータを印刷所の面付け用PDFデータに変換した際に脱落したとのことで、現場の皆さんも初めてと不思議がっておられます。データは恐ろしい! 気を取り直しての新年号です。2012年もよろしくお願いいたします。(山内正紀