【編集後記】
●注目の民主党代表選。菅直人氏が再選されました。これは、ある労組活動家の話ですが、菅氏の勝利が決まった日の夜の飲み会。代表選の話で盛り上がろうとしたところ、何と参加者全員が小沢氏支持で、話は盛り上がるどころが、早々に打ち切りだったそうです。もっとも、この参加者は民主党員ではなく、サポーターでもないとのことですが、飲み会の話題にもならない菅再選は少し淋しくありませんか。
民主党代表選結果と、市民派・松下政経塾派がドッキングした菅改造政権の今後の政策方向の分析を、社会民主主義者の課題とともに山崎一三さんに書いていただきました。菅首相の「現実主義」外交の師である永井陽之助氏の論にも触れられています。河辺一郎先生からは、前原外相が言及する「国益」について。日本と米国では、「国益」という言葉のもつ意味が根本的に違うようです。
●8月のお盆の時期に訪朝された浅野健一先生に報告をお願いしました。『社会新報』には、同行された長沼節夫氏の訪問記が連載されました。本誌には、長沼氏が『社会新報』で「詳細は他に譲らざるを得ない」とされた朝鮮外務省・崔勝日研究員へのインタビューも、それこそ詳細に紹介されています。先生ご指摘の「朝鮮の側から日本を見る想像力が必要ではないか」との立場から、相互理解を深めることが大事だと思います。
さる9月17日、日朝平壌宣言8周年に当たり、日朝国交正常化連絡会主催の集会が開かれました。そこで講演した和田春樹・東大名誉教授によると、「菅談話を手がかりに、さらに運動を進める立場に立つべきで、野党は国会で菅談話は朝鮮半島全体にかかわるのかなどを追求し、成果を得た後、特使をもって朝鮮に伝えるべきだ」とのことでした。菅改造内閣では、対朝鮮強硬派の中井拉致問題担当相が外れ、柳田稔氏に代わりましたが、新しい展開は期待できるのでしょうか。政権を一歩でも動かす力をつくりたいものです。
●本誌7・8月号で、柴山健太郎氏からギリシャの「ソブリン(国債)危機」に見舞われた欧州の政治動向を分析いただきました。この「ソブリン危機」の問題解明に、鎌倉孝夫先生が今月号で挑戦して下さいました。欧州各国が財政危機の下、国防費削減を進めていることの指摘にもご注目下さい。
中森さんからは、プロ野球のペナントレース順位予想と結果への懺悔?の文。心中お察しいたします。パリーグはソフトバンクの優勝が決定しましたが、クライマックスシリーズの勝者は西武か!。今度は当たるといいのですが・・・・(山内正紀)
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