【編集後記】
●私の住む高槻市は、隣の島本町と合わせて、人口約39万人、ダイレクトメールを全員に
一回出すだけで封書なら3000万円余。麻生内閣の給付金を給付する、振込口座の確認のために、それだけの
お金が要ります。そのための人件費も要ります。現実にはその住所にいない人もいます。路上生活を強いられて
いる人、ドメスティックバイオレンスなどで届出住所にいられなくなった人など本当なら一番支援が必要な
人には手が届かず、苦情処理にも人手がかかります。その費用は国が負担するといっても、一部にすぎず、結
局は小泉改革の偽りの分権で財政ひっ迫の地方自治体にさらなる負担を強いることになり、麻生さんの思いつき
(元々は公明党の要求)はロクなことはないようです。
●麻生さんはマイワールド、自分しかない世界に住んでいるとは、今号のトップ、福島みずほ氏の言葉です。
福島党首は02年の格差拡大の指摘以来、社民党が初めて指摘して、その後、社会の大きな問
題になっていることが多いことを知ってほしい、それができるのは社民党が社会民主主義の理念を持って
いるからだと述べています。社民党の支持者は自信を持ってほしいと思います。
●2月号の最大のテーマは「派遣切り」の全面化です。政治課題としては野党三党が提出した緊
急雇用対策関連四法案の内容と参・衆議院での攻防を「主張」でとりあげ、労働運動の課題として鳴海、
野尻、福井三氏にお願いしています。
求人票に労組不参加が採用の条件と思わせる記入をさせ、それをしたのはハローワークだとする「
大分キャノン」、放り出した非正規労働者のために内部留保をとり崩すことはしないと冷たくつき放した
トヨタ、これらの報道は締切り後ですが、「全面化する非正規労働者の解雇」(鳴海洽一郎氏)は問題の根
源を05年の日経連の「新時代の日本的経営」に求め、企業内にとり込まれてしまった主要
労組と「非正規」を分つ労働市場形成の異常をつき、連合が非正規問題に有効な姿勢を示さないまま賃上
げに走った場合どうなるかを問う本質的な問題提起です。
野尻和夫氏の「非正規労働者の雇用を守る09春闘を」は、春闘方針を要約し前年春闘のまとめ、
厚労省の「労働経済白書」を追いつつ、格差是正と非正規の雇止めに対し、ストライキをかけても戦う姿勢
を求めています。
福井工氏の「金融危機下で労働組合はどう戦うか」は、派遣切りの特徴的な実態をあげ、
それに引きかえ日本の有名大企業のあり余る内部留保と、平均で億を超える役員報酬を紹介、連合は生活
に困っている失業した仲間のためにカンパや炊き出しをすべきだと訴えています。
●福留先生の「租税改革の課題と現状」は現代通貨の問題点から法人税と消費税に説き及び、様々な
税金逃れの企業になお企業減税、さらに「小さな政府」で税務署員を減らして、脱税の摘発をさせず税収を
減らしている日本、税制の国際協力の必要が説かれています。
予定原稿に空白が生じ、「編集50年」を長くしました。(松本)
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