【編集後記】
●サブプライムローンに発する金融危機はどこまで拡がるのか不透明な上、原油高騰による物価高が重なり、社会保障の切り下げ、負担増とトリプルパンチで、生活苦と不安が拡大しています。「主張」で生活防衛のための闘いのベースを作ることをよびかけました。
通常国会は予算審議となりますが、その予算案について、社民党政策審議会事務局長の横田昌三氏にお願いしました。小泉・安倍内閣の構造改革がもたらした国民生活破壊を前に福田首相は「国民のため」を連発、総選挙にむけて、バラマキと、財政収支の均等という矛盾に満ちた予算編成、道路、地方など場当りな施策が原則を崩壊させているようです。
●年金記録の喪失では公約も忘れた福田首相、片や産気づいても受入れてくれる産科がなく、やっと入院したときには死亡という事態、日本の社会保障はどうなってしまったのか、河野正輝氏にお聞きしました。「転換期」の背景にはグローバリゼーションの下での雇用構造の変化があり、非正規雇用の拡大が国民健保加入者の年収の低下=大量の年金未納者を生み、年金財政の破綻となっていることが明らかにされます。財界は自ら社会保障崩壊の原因を生み出しながら、年金の一元化に反対し、国民医療費の削減を要求、「混合診療」という名の、金持ちだけが良い医療にかかれる医の格差拡大を図っています。予算でも、社会保障でも社民党の政策はあるのですが、それが現実化するためには、生活防衛、いのちを守る国民的な闘いと一体化が必要になっています。
森本さんのマンガ、福田さんは「耐え抜きますよ、勝つまでは!」の哀しくおかしな決意、こちらもがんばらなければ生活もいのちも守れません。
●そのがんばりの重要な一つ、非正規雇用フォーラム・福岡のとりくみを牧野苓子さんに書いていただきました。矛盾の集中する若者と女性の結集、無を有にしていく闘いが展開されようとしています。
「鎌倉孝夫の経済診断」は今号から3カ月に1回、理論編を挿入するということで、
第1回は労働者が労働を売るのではなく、労働力であることを、労働法制改悪という具体的な
問題を通して解明します。
西村和雄先生の「有機農法再考論」(上)を読んだ北海道の読者、笠原さんから農場で働く仲間全員で読んだとの便り。笠原さんは「下」では内容は土づくりになるはずと期待を込めた予測も。
米山昇氏の「中国の農村を行く」は昨年11月号に続くもの。米山氏は総選挙にむけて新潟2区で社民党公認予定候補に決定。「祈必勝」です。
●「本紹介」では、本誌にも執筆をいただいている浅野健一先生の「メディア『狂乱』」をとりあげ、先生が重視されている犯罪報道における人権問題を中心に紹介。その中でも問題の人、橋下徹氏はなんと大阪府知事選に当選。期間中朝日によると関西のスポーツ5紙はテレビタレント橋下を大見出しで30数回伝え、熊谷は10数回、梅田は1回、これがそのまま票に出た? その朝日も紙面で社民党を完全に無視。大阪社民もそれを突破する力に欠けたようです。かくて東の石原、西の橋下とタカ派知事が誕生。(松本)
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