「進歩と改革」No.674号   --2008年2月号--

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■主張 総選挙勝利へ、社民党全国大会から

武装平和か非武装平和か                   河辺 一郎
―小沢構想の前に問われるべき日本の国連外交

「大連立劇」で浮上した二つの根本問題            山崎 一三

◆マンガ 四頭(政・官・財・ヤクザ)様食べ放題御席     森本 清彦

「ワーク・ライフ・バランス」への基本視点           柴山恵美子
―EUみるジェンダー平等政策の発展

地球環境問題と経済学―資本主義とエネルギー         福留 九大

○八春闘の課題―非正規雇用労働者底上げに向けて       野尻 和夫

グローバリゼーションと対抗主体               柏井 宏之
―生活の社会化の中で多様な運動・連関へ

有機農業再考論(上)                     西村 和雄

社民党の政策のレパートリーを広げよう(下)         鎌田 明彦

米国一極支配の終わりの始まりとEU・中国          田崎  潤

●スポーツ時評 チームは生き物               中森 稔博

【編集後記】

小沢民主党代表の国連決議があれば自衛隊を出す、地獄の底でもついていくという案と意見はいいのか、その国連の実態はどうなのか、河辺一郎氏にお願いしました。12月は執筆の予定が2本もあるとの河辺氏にムリをお願いしましたが、何回も書いておられるレパートリーだけにキチンと整理して下さいました。
 国連の平和保障の歴史のなかで、武装平和と非武装平和の理念の振幅があり、ブッシュのイラク戦争以後のアメリカは武装平和さえ踏みこえる単独行動主義に走ったのでした。平和憲法をもつ日本はPKO軍事化のために、北欧を中心とする文民中心のPKOを妨害し続ける役割を果たし、小泉・安倍内閣以後はブッシュの戦争を全面的に支え追随してきた、この姿勢の転換こそ先決との論旨。
 山崎一三氏の「大連立劇で浮上した二つの根本問題」――二つの根本問題とは選挙制度とアメリカの影ですが、河辺氏の指摘された平和憲法を持つ日本の国連外交がなぜこれほどまで軍事化とアメリカ追随になるのかを、日本の戦後政治史から解き明かすものでもあります。この二つの根本問題に対置する社会民主主義者の改革の方向は何か、山崎氏の結びをお読み下さい。

柴山恵美子氏の「ワーク・ライフ・バランスへの基本的視点」――日本の教師や自治体職員がいかに苛酷な労働実態や雇用の切捨て――それを体制側は公務員は天国だと宣伝して、労働側の分断を成功させているのですが――に始まり、EUのジェンダー平等政策の紹介をされています。EUの到達点を読むと、日本は完全に後進国――ジェンダー・ギャップは日本はなんと91位だそうです。――運動の前進に使っていただきたいことが多く書かれています。
 福留先生の「地球環境問題と経済学」が昨年12月号で伊藤善規さんが紹介された槌田敦説の吟味の続きです。12月号は肯定的否定的様々な反響がありましたが、福留先生の吟味は「通説」にも「「異説」にも「すべては疑いうる」との姿勢で冷静なもので、解決のカギ(結論)は経済学の質的的転換に。

格差拡大、非正規雇用拡大のなかでの08春闘については、野尻和夫氏。いろいろ言っても連合が中心となるなかで、少しでも前進するにはどうしたらいいか、その視点を提供しています。
 柏井宏之氏の「グローバリゼーションと対抗主体」は「新しい公共」が求められるなか、その担い手をどう形成するか、グラムシシンポと訪韓の経験をふまえての内容です。
 西村和雄氏の「有機農法再考論」は有機農業推進法が可決され、さわがしくなるなかで、農業技術論からみた本物の有機農業を問います。申し訳ありませんが、全体の原稿があふれたあおりで二回連載とさせていただきました。
 鎌田さんの生活の身近なところからの政策の提起は後半分。「政策提起に対する社民党のこれまでの反応についてぜひ検討してほしい」言及があります。
 今月も原稿が大量にあふれ(増頁しても)、失礼した分が多々あります。次号に掲載しますので平にご容赦を。(松本)