【編集後記】
●今月号は社民党全国連合の服部良一幹事長の講演録からスタートです。1月21日の進歩と改革福岡セミナーで行われたもので、いま開会中の国会動向をはじめ、社民党が直面する課題が提起されています。次号に続きます。
旧優生保護法下で不妊手術を強いられた熊本県の2人が、国に損害賠償を求めた訴訟の判決で、熊本地裁は旧法は差別的な思想に基づき憲法違反とし国に賠償を命じました。国が主張する「除斥期間の適応による請求権消滅」を認めない画期的な判決(国は控訴)。平野みどりさんは、この裁判・判決の評価にとどまらず、日本における障害者運動の歴史、自らの経験にも触れて、社会全体の問題として優生思想克服・インクルーシブ(包摂)社会実現を訴えます。共有すべき我われの課題です。
柏井宏之さんも社会的排除から包摂の社会へ、東京での現状をレポート。
●岸田政権が〈安保大転換〉とともに〈原発政策大転換〉。めざす原発再稼働では、最大の焦点となっているのが柏崎刈羽原発です。有田純也さんから再稼働へ加速する国の動きと不祥事が続発する東電という構図の中で、今後の取り組み強化へ決意が披歴されます。
村山正栄さんは、コロナ感染第8波で疲弊する医療・介護の現場から問題提起。救急搬送で横転した救急車の写真も悲惨な現状を示しています。
新型コロナとともに最近猛威をふるう鳥インフルエンザ。これに加えタネの3つに共通する要因を指摘しつつ、食の安全保障を論じるのが堀井修さんで、文明史論にもなっていると思います。
●河辺一郎先生の〈視点〉は、安保3文書に関係して「抑止と挑発」。3文書で強調するのが抑止論ですが、核を含む抑止論とは何か。また国家安全保(戦略が強調する北朝鮮脅威に照らして、相互理解に欠ける日朝間に〈抑止〉は通用するのかなど、安保に関わる根源的な問題が指摘されています。
〈チーム鎌倉〉の草間豊さんは、初めて寄稿を頂き感謝です。白井聡『国体論』への鋭い批判。先日、ある読者と懇談していたら、「藤岡寛巳先生の伊ファシズム論が面白い!」とのこと、嬉しくなりました。(山内正紀)
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