【編集後記】
●通常国会が開会しました。
まずは新年度予算の審議。本誌は今回も、分かりやすいと好評の蜂谷隆さんに分析をお願いしました。突出する防衛費問題への批判とともに、それに限らず予算案のとんでもない特徴が鮮やかに突き出されています。予算審議の行方に注目し、異議申し立ての声を高めたいものです。
●物価上昇・インフレ下での国民生活防衛へ注目の春季生活闘争。木庭健一さんが紹介する〈世界的なインフレで欧米ではストライキが頻発するのに、日本ではそれが少ない〉との指摘が大事だと思います。厚労省の昨年の発表では、ストライキやロックアウトなど争議行為を伴う争議件数は55件で、総参加人員は3万8540人とのこと。
2023春闘での闘いが期待されます。
先生がいない! 深刻な「教員離れ」「教員不足」問題を上越武雄さん。その実態と克服への課題が、魅力ある教職への希望とともに語られます。
三池三川坑炭塵爆発事故から今年11月9日で60周年、三池労組元組合長の芳川勝さんより慰霊祭、慰霊碑建設、CO患者救済の取り組みなど胸をうつ「ヤマの便り」が届きました。
●ロシアのウクライナ侵攻によって「法の支配」が強調され、国連安保理事会で議長を務める日本によって主張されています。河辺一郎先生の今月の〈視点)は、イラク戦争時を例に国連での「法の支配」を否定してきた日本の姿を指摘し、そのギャップに驚かされます。
鈴木智さんからの〈ヘイトスピーチとの闘い〉は6回目を迎えましたが、ヘイトの根絶はまだまだ引き続く課題。今後にも鋭い追及を期待しています。
●『社会新報』や『朝日新聞』で取り上げられた話題の書『トランスジェンダー問題』。431頁に及ぶ大著を村田峻一さんが見事に紹介してくれて感謝です。これから原本にチャレンジしたいと思います。
鎌倉孝夫先生の〈資本論全三巻読解〉は「相対的剰余価値の生産」。読み進んで下さい。藤岡寛巳先生は、イタリアファシズム史上著名なローマ進軍とムッソリーニの政権掌握、日本での反応など迫力十分です。(山内正紀)
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