【編集後記】
●韓国ソウルの光化門広場で開催された3・1節100周年記念式典に、金光男さんは関西の平和運動の仲間を案内して、参加されました。この場で行われた文在寅大統領の演説は、緊張する日韓関係のなかで非常に抑制的で、説得的で知的なものでした。
金さんの論稿は、この文演説を原点に、日韓関係悪化の要因を鋭くえぐりだしてくれています。元徴用工判決への日本政府の批判は猛烈かつ理不尽で、それへの批判は本誌も展開してきましたが、金さんは同時に「韓国軍駆逐艦による自衛隊機へのレーダー照射問題」の大事さを焦点化し、安倍首相自身が問題解決を遠のけ、日韓関係悪化をもたらしている責任を指摘しています。
金さんが強調するのが1998年の「日韓共同宣言」。宣言に示された当時の金大中大統領と小渕総理との歴史認識の表明を羅針盤に! この大事な指摘を生かしていかねばなりません。
河辺一郎先生は、国際法をめぐる日本政府・外務省の姿勢を批判。都合の悪いときは無視するその勝手傲慢さ。核兵器禁止、日韓関係、沖縄問題を考える際の大事な視点が学べます。
●第2回米朝ハノイ会談。浅野健一先生は、昨年6月シンガポールでの第1回会談につづいて現地で取材、臨場感ある論稿が届きました。今回の会談、残念ながら合意なりませんでしたが、浅野先生はそれを喜ぶ日本のマスコミを批判し、「決裂ではない」と論評。なるほど! 米国サンダース報道官が公開した、にこやかにトランプ大統領と別れの挨拶をする金委員長の写真が印象的で、今後の進展が望まれます。
鎌倉孝夫先生からも、第2回米朝会談を論じて頂きました。先生も「決裂ではない」。同時に、合意に至らなかった要因が詳細に分析されていますのでお読み頂き、今後の力にと思います。
●前海満広さんからは、朝鮮学校授業料無償化問題での福岡地裁不当判決を糾弾。差別に満ちた判決への怒りが湧くと同時に、韓国からの支援が温かで力強く、この闘いへの支援を強めていきましょう。村田峻一さんからは「原発のない福島を!県民大集会」のレポート。福島を見つめる視点が新鮮です。
統一自治体選がスタートしました。県知事選・県議選・政令市議選などが4月7日投票、一般市長選と市議選・町議選・東京の区長選・区議選などが同21日投票です。その後に参院選で、問われる一つが少子高齢化社会での社会福祉政策。和田要先生に、日本社会が直面する課題を提起して頂きました。
本誌にお馴染みの大分県議の久原和弘さんが今回引退。長い間、ありがとうございました。でも久原さん、これからも本誌へ久原節、寄せて下さい。(山内正紀)
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