【編集後記】
●福田内閣の改造があり、総選挙がいつになるか、政権交代を実現できるか、が焦点として浮かびあがってきました。辻元清美さんに取材しました。いまは世界史的な転換点にあると捉える辻元さん、そしてアメリカ追随からアジアに軸足を移そうという大きな方向性のなかで、市民の安全安心も実現していこうという辻元さんの話を、政権交代の準備の議論にしていただきたいと思います。「新味にない席替え、下げ潮内閣」という辻元表現と趣旨一体の「売れ残り、使い回し」内閣というのが、森本さんのマンガです。
●水俣病について最高裁判決で国の責任が確定したにも拘らず、与党PTの救済策はひどいもので、これに抗議する動きが拡がっているとのこと、長年、被害者側の弁護団で弁護をつとめてこられた参議院議員、松野信夫氏に執筆をお願いしました。経過と問題点をわかりやすく、詳しく書いていただきました。司法の結論をあざ笑うかのように人の痛みを軽視し、医療給付などをケチろうとする環境省の態度には怒りを禁じえません。多忙のなかを執筆下さった松野議員に感謝です。
●橋下大阪府知事の言動は逐一マスコミで報道され、人気者ですが、実像はどうなのか、知事の最初の本格予算について、議会審議の状況を含めて、小沢府議に取材しました。酷い内容で、これを審議した議会の状況もおもしろいものです。
福留先生には、WTOの交渉決裂の問題を書いていただきました。先生は他の内容で予定されていたのですが、変更
して応じて下さいました。資料が多すぎて苦労されたとのこと、とりあえず世界の過剰資金の問題に焦点をあて、次回
に世界貿易機関の問題となるようです。
●WTOも日本外交は拙劣だったようですが、拙劣の極みと言えそうなのが、6者協議のなかの日本の対応です。前田康博先生にお願いしました。核の検証をめぐって、米朝は最後のつばぜり合いのようですが、日本は拉致問題にこだわって、米朝の決裂を願っているようにさえ見え、非核アジアの実現という人類的希望に背を向けているようで、なんとも切ない現状です。
日朝関係は、過去の従軍慰安婦問題を封印したままでは、よい方向に進みません。洞爺湖サミットに合わせて行われたシンポジウムでの朴元淳氏の話を掲載します。長いので、次号にも続きますが、問題を把握するのによい資料となると思います。
●先の戦争の総括と現代の日本を問う、山崎一三氏の第2回も関連する内容です。一人一人をとれば、日本人も外国の人もほとんど変わらないと思うのに、(人間は国や人種で変わらないとの認識はヒューマニズムの基礎でしょう)日本人集団となると、補給無視、人命軽視、合理性のない精神主義、どうしてこのようになるのか、それは本当に克服されたのか。
オリンピックのメダル狂想曲のなかで、スポーツをエンジョイできたかどうか。中森さんの「スポーツ時評」もお読み下さい。日本贔屓のプロ野球監督バレンタインさんは、オリンピックの日本野球チームは選手がゲームをエンジョイできていなかったと言っていました。(松本)
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