【編集後記】
●校正の最終段階で、福田首相が内閣改造にふみきるのではないか、との報道がとびかっています。事実であれば、8月号で近藤正道参院議員が想定して通りですが、この号では間に合いません。原油の高騰も深刻になってきました。WTOは物別れで終わってしまいました。次号でどこまで迫れるか、というところです。
この号は、サミットに関連する問題やサミットに合わせて行われた集会などの記事が多くなりました。
その前に山崎一三氏の「アジア太平洋戦争の総括と現代日本」。8月15日の敗戦記念日というタイミングもあるかと思います。アジアに多大な惨禍をもたらしたあの戦争に対する日本人の反省の希薄さから始まり、無謀な戦争に突入していった当時の日本人の戦略不在の発送、一転して今日の方向性なき国政の類似、731部隊につながる今日の医療などあの忌まわしい戦争と現代日本が無関係ではないことを考えます。次号に続きます。
●田巻一彦氏の「MDと宇宙基本法」は平和憲法を持ちながら、集団自衛権の発動なしにはありえないミサイル防衛、それはアメリカにコントロールされたものでしかない、しかも厖大な軍事費が必要のものを、どんどん進行させています。一体、国民のどれほどがこの事態を知っているのでしょうか。よく福祉のカットに反対というと、お金をどうする、軍事費を削れというような古い左翼の発想ではダメだと言われますが、それではこの費用は認めていいのか、です。
蜂谷隆氏の「転換迫られる外国人労働者政策」は人口減、労働力不足、高齢化と出産減の時代に自民党のPTが移民受け入れに踏み切ろうとするのに対し、労働力だけではなく、まともな移民受け入れ政策の確立を求めるもの。
●「洞爺湖サミットで何が起きたのか」はサミットに抗議して集まった内外の市民の行動のなかからレポート。日本人とフランスなど外国からの参加者の権利意識の違いに目を向けます。
森本さんのマンガもサミット。金持ちは汚した地球からバイバイ。 サミットの時期に開かれたシンポから。紙面の都合で、長い報告は次号に送らせていただき、鄭炳浩氏のコメントを。冒頭の山崎氏の日本人のきづこうとしない戦争責任について、「過去をともに掘り起すこと、未来をともに作っていくこと」。
矢部忠夫氏の「原発依存は何をもたらしたか」は、直接にはサミットとの関連を書いていませんが、サミットでCO2を出さない原発を認めたなかで、7基すべてが停止している柏崎刈羽からのレポート。これで一体、原発の稼働率アップとは?
●鎌倉孝夫氏の「経済診断」は、これもサミットで認められた排出権取引について。この排出権取引までが、マネーゲームの対象になり、バブルが発生する危険を孕んでいる実態を明らかにします。EUも、ドイツ、フランスで右派が政権を握り、社民党と連立を組むメルケル独首相が消極的な原発政策を揶揄されるようでは。やはり国際的にも社会民主主義勢力の失地回復が必要なようです。(松本)
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