【編集後記】
●今月は統一自治体選挙前半の結果です。校正の段階では後半の結果も出ているのですが、定例の締切りを守って、
前半で区切りました。例によって全体の分析は衣笠哲生先生にお願いしました。
地方からのレポートは3本。一つは社民党苦戦のなかで、勢力を拡大した大分から。二つめは、民主との分裂後もがんば
ってきた社民党の地方の拠点の一つ、新潟から「大敗」の総括。カッコは良くないのですが、負け戦から学ぶのは基本的な
ことです。
もう一つは、マスメディアでも話題になった「嘉田新党」の滋賀から。今回はあまり深くふれていませんが、そ
の背景にはマスメディアお好みの一過性の話題ではなく、長年のびわ湖の環境問題に対するとりくみがあると思います。それ
と結びついた滋賀県社民党の作戦勝ちがあると思います。
「主張」は総体としての社民党の後退に焦点をあてました。社民党の
選挙総括はこの時点でまだ読んでいませんが、苦況を率直に見つめることは前進のために必要でしょう。
●「憲法9条をめぐる状況と私たちの課題」は平和フォーラム・原水禁事務局長の福山真劫氏です。社会党・総評ブロックの解体後、憲法や平和の課題で平和フォーラムが果たしている運動体としての役割は誰しもが認めるところ。その全国的責任を担っている福山氏の冷静で率直な意見をお読みいただきたいと思います。
原発をめぐる電力会社の事故隠し、改ざん報告は驚くばかり、環境と安全上重大であることは言うまでもありません。原発反対刈羽村を守る会の武本和幸氏の文章と伊方原発訴訟の弁護団長藤田一良氏、京大原子炉実験所の小林圭二先生、小出裕章氏、それに本誌でもおなじみの荻野晃也先生の座談会を掲載します。武本氏は想定を超える地震、地盤と原発の怖さを指摘し、座談会は臨海事故の重大性を追求しています。
鎌倉孝夫先生の「経済診断」は、民営化された郵政の問題。資本の論理の徹底は公有の時代の全国一律のサービス、庶民のための金融機関をかなぐりすて、地域・生活を破壊しつつ、巨大コングリマリット化していく方向が明らかにされます。
「2007年ダカールラリー・イスラム文化にふれる旅」は笠原一之氏。有機農業の1・5ファームを書いてくれる笠原さんは前に、インド紀行も書いてもらったことがあり、今回も楽しい読み物になるはずです。連載です。
●欲ばって、「あれもほしい、これもほしい」と言っていたら、頁数の定量を完全にオーバーしてしまいました。いつも迷惑をかけている山中さんの連載は今回は絶対にはずせないと思い、増頁しましたが、それでも、「スポーツ時評」がはみ出てしまいました。中森さんは締切りに合わせて、時宜にかなうプロ野球の裏金問題をとりあげてくれていましたのにまことに申訳ありません。
来月は参議院選挙に向けて、企画を考えていますが、予定通りに原稿が集まりますと、またまたオーバーしそう。あまり増頁すると財政の方から苦情が出そうで、頭の痛いところです。(松本)
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