「進歩と改革」No.665号   --2007年5月号--

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■主張 欠陥法案の改憲手続法=国民投票法を廃案にしよう

思想としての憲法第9条                  田畑  稔
―21世紀研究会公開シンポジウムでの報告

ドキュメント 小泉「構造改革政権」の検証         木村  毅

マンガ 自称「美しい国」の鬱苦し(ウツクシ)一座公演中 森本 清彦

有機農業新世紀                      西村 和雄

大統領選にむけ揺れる韓国政局               市岡 民雄

2007年春闘は一矢報えたか               野尻 和夫

教育基本法改悪と教育運動の課題              今泉 克己

県立高校通学区域の全県一学区化反対のとりくみについて   戸部  洋

マンガ 社民党の不思議                 鎌倉 圭悟

施設で働きたい人が働けない障害者自立支援法        羽月 幹男

本紹介 トム・リード著「『ヨーロッパ合衆国』の正体」
     原田武史「仕掛け、壊し、奪い去るアメリカの論理」 

スポーツ時評 ご批判は承知の上で            中森 稔博

【編集後記】

田畑稔先生が今年は憲法について取り組みたいと話されていたことを思い出し、5月号への寄稿をお願いしま した。そして、いただいたのが「思想としての憲法第九条」です。まず出てくるのが、マルクス再読ならぬ「思想として の第9条再読」です。前文と9条について、英文の日本国憲法との対比も出てきますが、日本国憲法を手元において読ん でいただくと「人民」と「国民」の関係など、わかりやすいかと思います。さらに「9条解釈の変遷」「九条を生んだ 思想」「21世紀に9条を選び取る思想」など包括的で、大きな展望のもとに憲法を考え、位置づけ直す好機になるかと思います。憲法を積極的に捉え返し、闘う武器にして下さい。

木村毅氏の「ドキュメント・小泉『構造改革政権』の検証」は、アメリカの言いなりに規制緩和を推し進め、日 本人の生活をムチャクチャにしてくれた小泉政治1980日の検証です。編集子など思い出すのも腹立たしい限りで すが、今後のためには冷静に総括が必要でしょう。
  西村和雄先生の「有機農業新世紀」は、昨年12月に成立した「有機農業推進法」について、法律の名前はな かなかいいのですが、西村先生は初期の有機農業者がどんな目にあったか、ふりかえりながらこの法律でどうなるのか、それは決して甘くないどころか、逆のワナではないのかと立腹、さらに有機農業者にも新たな努力が必要なことを訴えておられます。

今年末に行われる大統領選挙に向けて、韓国政界は再編の気運。韓国の政治、労働運動をウオッチされている市岡民雄氏が状況を丹念に追ってくれました。お隣の国ですから日本とは関係深く見逃せない動きです。
  野尻和夫氏は「2007年春闘は、一矢報えたか」冒頭に「あずみの観光バス」事故のことが出てきます。これ も規制緩和がもたらした酷すぎる事故です。JR福知山線の痛ましい事故から未だに規制緩和の酷さは大衆的な認識にしえていないことが無念です。
  春闘と言えば太田ラッパで育った編集子などには資本の回答額がそのまま妥結額になる今日の春闘”状況は理解しがたいものですが、野尻氏が最後で述べている克服策ぐらいはせめて実現してほしいものですが、これも必死の努力なしには実現しないでしょう。

教育基本法改悪後の教育運動について二本提供します。今泉克己氏の「教育基本法改悪と教育運動の課題」、 戸部洋氏の「県立高校通学区域の全県一学区化反対のとりくみ」です。教育基本法が改悪されても教育運動はへこたれていません。
  「施設で働きたいが働けない障害者自立支援法」はこのところ連続的にとりあげている障害者と「自立支援法」の問題。せっかく障害者のために働こうとしている人が「自立支援法」に押しつぶされようとしています。
  編集子の「本紹介」は、原稿がたらないときのために書いておいたものですが、このところ原稿の集まりがよく、日 の目を見ずにいたもの。今月で吐き出しました。頁数の都合でまたまた山中さんの連載掲載できず、すみません。(松本)