【編集後記】
●1月号です。まずは河辺一郎先生の〈国際政治の視点・特別篇〉。米大統領選はトランプ氏の勝利でした。河辺先生はトランプ現象の意味を問い、その主張を歴史的背景から分析され、理解が深まります。そして刺激的なのは「トランプ現象と日本左派の類似」の指摘。論議を深めて下さい。
大分県議の久原和弘さんは、トランプ氏の勝利を確信してきたとのこと。「必ずトランプが勝利する」との久原さんの発言に、県議仲間から返ってきたのは「止めてくれ、大分の恥になる!」。それにもめげずに久原さん、立派です。独特の久原節を味わって下さい。
●中国駐日大使館の公使参事官である薛剣(セツケン)先生の講演を聞く機会を得ました。日中友好21の会(曽我祐次会長)主催の学習会でのことですが、薛剣先生は「複雑な問題がないわけではないが、全体的に見てアジアの情勢は安定しており、発展へ向けての流れが主流である」と明快でした。先月号まで連載された柴山健太郎さんの「21世紀日本の歩むべき道」の最後のまとめは「東アジア共同体」の強調でした。安倍政権の反中国の包囲網形成に対抗する努力が求められています。
●中村正紀さんの「巻原発住民投票から20年」は3回目。住民投票までには長い前史がありますが、今回書かれた町有地売却阻止のための臨時町議会阻止行動。読んでいてワクワクします。中村さんの連載はまだまだ続きます。
安倍政権で「働き方改革」が打ち出されました。これを木庭健一さんにお願いしました。木庭さんは労働時間規制を空洞化する「36協定の特別条項」に一つの焦点を当て、労働組合の規制力の大事さを訴えています。「介護保険制度」についての濱本哲さんの論稿でも、「社会保障制度を考えることは、社会のあり様を考えること」と、労働組合の役割が期待されています。
久しぶりに鎌倉孝夫先生。トランプ論から始まり、労働者・民衆が現実の主体になる必要性、国連「核兵器禁止条約」交渉開始決議に賛成した朝鮮に関連して平和・社会主義論が展開されています。
高根英博さんの「百年戦争物語り」は最終回。次号から新企画が始まります。ご期待下さい。高江ヘリパッド建設阻止の現地座り込み行動に参加された田中洋さん、富山での護憲大会に参加された増永周一さん。ともに熊本からの平和・人権擁護へのレポートです。
● キューバのカストロ前国家評議会議長死去の報道。私は若いころからのファンで、革命家・カストロに魅せられてきました。その一貫した闘いの人生が閉じられました。黙祷。(山内正紀)
|