「進歩と改革」No.713号    --2011年5月号--


■主張 東日本大震災被災者へ支援・連帯の力を寄せよう!


  
 3月11日、午後2時46分、三陸沖を震源とする東北地方太平洋沖大地震(東日本大震災)が発生した。マグニチュード(M)は、観測史上過去最大の9・0を記録した。地震に続いたのが巨大津波である。車や船舶が流され、樹木や街が流され、人びとと家族の絆が流された。30日現在、、死者は1万1417人で、阪神淡路大震災の死者6434名を大きく上回っている。関係者の必死の努力にも関わらず、行方不明者はなお1万6273人に及ぶ。新聞報道によれば、発見されたご遺体の中には家族の写真を胸に抱えたままの人もいたという。犠牲になられた方々の恐怖と無念を思うとき、いたたまれない気持ちになる。本誌は、この大震災で亡くなられた方々のご冥福を心よりお祈りし、ご家族・ご親戚・友人の皆さまにお悔やみを申し上げる。被災・避難された皆さまにお見舞い申し上げる。いまなお17万人以上の方が、17都県の約2000カ所で避難生活を余儀なくされている。避難所からテレビや新聞を通して届く東北の人たちの言葉が温かく、哀しく、胸を打つ。私たちは、その想いに心を寄せ、支援の力を築く一助を担いたいと思う。読者の連帯をお願いする。

 東京電力福島第一原発の事故が起こり、「原発震災」を現出させた。原子力建屋が水素爆発し、あるいは火災を起こし、また燃料棒が水面に露呈し溶融が始まり、原子力格納容器の損傷で放射性物質が外部に放出され、被害を拡大している。その事故レベルは、すでに米スリーマイル島原発事故(レベル5)を上回る規模になっている。原発安全神話の崩壊である。いま、「核と人類は共存できない」とした故森瀧市郎・原水禁代表の言葉が思い起こされる。この間に国策として原発を推進してきた政府、そして東電など電力資本、そしてそれに追随してきた一部労組の責任は、ことのほか重い。「第二の敗戦」ともいうべき事態を前に、反原発・脱原発の新しい社会にむけて、改めて運動を作り直す決意を固め合いたい。
【被災者救援カンパの送り先】
〈口座名〉進歩と改革研究会 〈郵便振替口座〉00190―1―754092(「救援カンパ」とお書き下さい)
〈口座名〉社民党災害救援基金 〈金融機関名〉中央労働金庫霞が関支店 (普)1543988