【編集後記】
●日本国憲法施行75周年、3年ぶりに東京・有明防災公園での憲法大集会も開催されました。河辺一郎先生の〈国際政治の視点〉は先月号につづき「特別篇」で憲法がテーマ。護憲派・リベラルの主張を問うものになっています。
提起の根幹にあるのは、米国を含む国際平和秩序(パリ不戦条約)を破壊した異常な日本軍国主義の歴史・存在と、軍国主義復活阻止へ憲法が制定されたにも関らず、その論理と構造が十分に自覚され論じられていないことの指摘だと思います。
これは「集団自衛権行使容認で米国の戦争に巻き込まれるな」
「9条を世界に」と言うときに、抜け落ちる視点でもあります。ロシアによるウクライナ侵攻で憲法をめぐる状況が大きく変化するなかで、改憲阻止のためにも深めねばならない問題だと思います。
●今年のGWは「行動制限なし」で迎えましたが、忘れてはならないのは生活困窮者の存在です。コロナ禍が生んだ困窮がほとんど報道されなくなったなかで、柏井宏之さんから「反貧困ネットワーク全国集会」をレポートしてもらいました。生きさせろ
!との叫びが痛烈です。
熊本にある浄土真宗本願寺派光尊寺の齊藤真住職よりの「全国水平社創立100年に寄せて」。創立大会で採択された〈決議〉に注目して部落差別・人権確立に誠実に向きあう宗教者の役割と実践の深まりが示され印象的です。
●ウクライナ問題をテーマに福留久大先生。NATO東方拡大をめぐる米国とロシアの約束の正誤が論じられ、公式の約束はなかったとされています。その指摘は正当ですが、ロシアの侵攻の背景にはNATO拡大問題があり、国際法違反のロシアと共に
、そこへの批判的視点が必要だと思います。藤岡寛己先生から前号の石原慎太郎論〈政治篇〉に続く〈文学篇〉が届きました。
長野県上田市議の石合祐太さん再選の記、山田俊忠さんの春闘総括、鈴木智さんのヘイトスピーチVからも教訓を汲み取って下さい。(山内正紀)
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