【編集後記】
●一部に予想されていたとはいえ、多くの人にとっては突然の菅退陣。安倍首相につづく政権の投げ出しです。自民党総裁選の勝利者は岸田文雄氏。大平正芳元首相の流れを汲む宏池会の会長とは言え、外交政策を見ると相当な強硬派タカ派です。〈主張〉で、菅退陣、自民党総裁選、岸田新総裁誕生について追ってみました。
10月4日召集の臨時国会で新首相に指名される岸田氏の下で、衆院は同14日に解散、総選挙は同19日公示・31日投票だと、大きく報道されています。総選挙での自公政権打倒、政権交代、社民党の前進へ取り組みを強めていきましょう。
●〈国際政治の視点〉の河辺一郎先生に特別篇をお願いしました。テーマはもちろん、焦眉のアフガン問題です。問題の解決へ問うべきは何か。先生は論究の対象をイランを含む中央アジアのイスラム原理主義に広げ、その内発的な改革の動きに背離する国際社会の関わりの中から、今日に至った事態を提示され理解が深まります。藤岡寛己先生の〈評論・反反射〉で描かれるのはアメリカ帝国の黄昏です。
若林一平さんから〈満州事変90周年・緊急集会〉報告。紹介したのは浅井基文さんの講演です。「中国脅威」「台湾海峡危機」へ「米日豪印軍事連携」など喧伝される中、浅井さんの的確な日中関係論を読んで下さい。
この浅井講演、実は総選挙前に紹介したい重要な内容もありましたが、長くて一挙掲載は断念。次号につづきます
●高根英博さんの〈マンガ・戦後を審問する〉で取り上げられた高井としを。『女工哀史』著者の細井和喜蔵夫人で、まったく知りませんでした。その戦後の「日雇い組合」の闘いは、山田俊忠さんの論稿に紹介の「ヨイトマケの唄」に連なってきます。柏井宏之さんの〈やまゆり園事件から5年〉は障害をめぐる今の環境が提起され貴重です。
鎌倉先生の〈経済診断〉。新型コロナ感染拡大と世界のグローバル化との関わりは明確で、その状況下「民族自立経済」「自力更生の意義」が探究されています。(山内正紀)
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