【編集後記】
●コロナ禍で中小零細企業の困難、非正規労働者の困窮が深まり、GDPが減少するなかでの株価高騰。なぜこういう事態が生まれるのか、これは何を意味するのか――今月は鎌倉孝夫先生の〈経済診断〉からスタートです。日銀が企業の大株主になる株価至上主義の下で実体経済が収奪されていること、株価至上主義の基盤としての利潤至上主義が日本経団連「新成長戦略」分析を通してが解明されています。
●今月は5月号。憲法月間に合わせて3つの論考。徴用工・日本軍慰安婦判決をめぐる韓日市民連帯の課題を金光男さん、安倍から菅への改憲動向を高田健さん、河辺一郎先生の連載も憲法制定時に立ち返えり、天皇制と戦争放棄との関連を整理して頂きました。なかで金光男さん、「主張」で取り上げた社民党PTの場で何と40年ぶりに再会しました。非核・平和のアジアと世界へ、憲法を活かした連帯を築きたいものです。
●福留久大先生の「人新世時代の社会主義」。先月号に大きな反応がありました。「人新世」の読み方が分かったという基礎的なものから、読めていなかった斎藤幸平氏の論が理解できたというやや安直な感想も…… 今月は大内秀明先生推奨のモリス社会主義論。斎藤氏の「否定の否定によるコモン再生」への批判は、今後にどう展開されるのか。来月号に続きます。
●浅野健一先生は、菅首相親子が主犯の総務省贈収賄事件を徹底批判。いつも痛感するのは、やはり日本のマスメディアの問題と弱さです。
藤岡寛己先生、取り上げられたのは柳美里の『JR上野駅公園口』。小生、まだ読んでおりませんが、読んだ友人によると、天皇(現上皇)、皇太子(現天皇)もテーマに政治的とのこと。次号が楽しみです。(山内正紀)
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