【編集後記】
●菅政権は、政権浮上を新型コロナウイルスワクチン接種の普及にかけて必死ですが、デジタル庁設置・デジタル化社会は主要政策です。今月は白石孝さんに、その狙いと危険性を提起して頂きました。白石さんの主張は「情報主権を市民の手に」。菅政権の情報独占主義への批判が展開されています。
河辺先生の〈視点〉は「陰謀論」をめぐる日本社会の認識の甘さを追及。米国大統領府襲撃事件をめぐる論調・右翼論壇を追いながら「日本で陰謀論は顕在化している」と。愛知県知事へのリコール署名運動偽造が起きました。
●新進マルクス学者の斎藤幸平氏の著書『人新世の「資本論」』が評判です。人新世? ひとしんせい(あるいは、じんしんせい)と読みます。福留先生からは老マルクス学者・大内秀明先生の論に照らした斎藤幸平論の展開。斎藤氏はNHK番組にも登場。今回はその斎藤氏の『資本論』理解の概要紹介で、まずはジャブ程度か。次号に続きます。
●高校非常勤講師の組織化ついて、3年前、岩本正也さんの本誌へのレポートを覚えておられる読者も多いのではないでしょうか。面白く新鮮でした。今回は〈その後〉を総括、ユニオンの存在感と活動力が際立っています。上越武雄さんの教員免除制廃止への提起も、自らの経験を踏まえた優れて実践的説得的なものです。中岡栄一さんからの自己改革を迫る提起。『Z世代』という本も出ています(光文社新書)。
●藤岡先生は没後40周年の作家・向田邦子論。TVで「あ・うん」を見た覚えはあるのですが、熱心ではなく、本も読んだことがありませんでした。その向田現象への″懸念”などを時代に照らして解析、理解が進みました。
前海満広さんは若者の名簿を自衛隊に無断で提供する自治体批判。滝澤一郎さんの安倍政権徹底批判は今回で連載終了、投稿に感謝です。(山内正紀)
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