「進歩と改革」No.819号   --2020年3月号--

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■主張 安倍首相の施政方針演説にみる「東京五輪」「朝鮮」「沖縄」

東アジア平和構築に向けて何をすべきか             服部 良一

2020春闘の勝利に向けて                 木庭 健一

働き方改革と教職員                     吉田 裕史

公共サービスと中小労組の課題(上)              福井  工

マンガ●FALSE HOOD218                   森本 清彦                   

 「オレに逆らうヤツは」
  国際恫喝・脅迫男&永久隷米不動盟男!  

◆国際政治の視点                       河辺 一郎

 日米安保の論理

地域主権と住民自治を求めて(上)               渡部 良一
 ―社民的まちづくり・地域づくりの展望―

■チーム鎌倉の〈経済診断〉

 現代的不平等の起源-                    谷田 道治
  ―人間の「価値」は計れるのか―

◆高根英博作画・文 [マンガ・百年戦争物語り18]

 日露戦争 念仏禅

◆新潟県「木崎村小作争議」に学ぶ(1)           阿部 紀夫

 地主制に抗した小作農民のたたかい

津久井やまゆり園殺傷事件裁判                柏井 宏之
 ―「何」を裁くべきか?で問われる世間―

◆スポーツ時評                       中森 稔博

  西野と森安


【編集後記】

元衆議院議員の服部良一さんからご寄稿を頂きました。大阪での日韓市民連帯活動の蓄積を踏まえて、日韓・米朝関係の現状から東アジアの平和構築への期待と決意が語られています。実は、大阪の集会で「PEACE」と描かれたキャンドル人文字の写真も送って頂いたのですが、誌幅の関係で載せられず残念。申し訳ありません。

労働運動について3本。1つはスタートした2020春闘について木庭健一さん。連合の「2%要求」の意味、産別・単組自決の加速に結果する連合方針の問題点が分析されています。 
 日本の公的ブラック企業と呼ばれる学校現場。吉田裕史さんからは諸悪の根源たる「給特法」問題をはじめ教職員の置かれた状況と日教組の取り組み経過が整理され、理解が深まります。福井工さんからは未組織労働者の組織化にむけた半世紀の闘いの報告。その取り組みの凄さに圧倒されるとともに、非正規労働者組織化の大事さが痛感されます。 

河辺一郎先生の〈国際政治の視点)は1960年の日米新安保条約署名から60周年の機をとらえたタイムリーなもの。先生は「米国から見た歴史的背景と現代的意味」を焦点化されていますが、最後の記述には異論があるかと思います。議論が深まればと願います。

新潟県新発田市の前市議・渡部良一さんから、「まちづくり、地域づくりにおける社会民主主義的手法とは?」との編集部の要請に応えて論稿が届きました。視察を通じて共感した自治体の先進的実践例がレポートされていますが、今回はそのごく一部。福井さんの報告とともに次号へ続きます。
 〈チーム鎌倉〉からは谷田道治さん。解き明かされるのは、労働者間の階層的不平等という「現代の不平等」。解明のキーは『資本論』第3巻。じっくり読み進んで頂ければと思います。

新連載がスタートします。戦前の農民運動で有名な〈木崎村小作争議〉を阿部紀夫さんに案内して頂きます。この争議は、社会党の先達である三宅正一、浅沼稲次郎、稲村隆一らの活動でも知られていますが、闘いの今日的意味を再発見できたらと期待しています。
 津久井やまゆり園事件。柏井宏之さんが、始まった裁判の中で遺族によって名前が公表された美帆さんと、「何」を裁くべきかをテーマとしています。会いたくて会いたくて仕方ありません――いまは会えなくなったかわいい娘への親の痛切な思い。「遺族の手記をゆっくり声を出して読んでほしい」と柏井さん。私もそう思います。声を出して読んで下さい。(山内正紀)