【編集後記】
●新しい年を迎えて最初の号です。昨年末、熊本の読者から頂いたハガキ、「進歩と改革1月号を喜んで読んでいます。鎌倉孝夫先生の“貧困と格差をもたらす根本原因”を大変意義深く読みました。……低金利政策が株高にし、金あまりがますます株価を上げていることなどなどフンガイばかり。次ぎの稿が待たれます」とありました。うれしく励まされるお便りで、元気をもらって本年も頑張ります。
●浅野健一先生の「桜を見る会」問題。「公選法・政治資金規正法違反事件」として焦点化されています。先生は仲間の50人で、安倍首相を東京地検特捜部に告発しましたが、その後に東京地検は告発状の形式と内容に不備があるとして、昨年12月下旬、代理人の山下幸夫弁護士に修正・再提出を要請してきたとのこと。先生たちは告発状を修正して、受理をさせるよう努力中です。徹底究明が求められています。
●今年は社会主義崩壊から″30年”。この間に拡大したのが資本主義のグローバル化です。そのなかで安倍政権によって強調されるのがグローバル人材の育成で、「民間英語試験導入」もその方針に添ったものでした。「記述式出題」と合わせて「延期」「見送り」になりましたが、復活・再開する可能性あり。ここは徹底批判する論理を獲得せねばなりません。福留久大先生の論稿から学んで下さい。
河辺一郎先生は〈特別篇〉。安倍政権長期化の要因を、安倍とトランプをとりまく議論を比較しつつ解析して頂きました。その本質解明と同時に、外交政策を問わないリベラル左派への批判が鮮烈です。
●もう10数年も前になるでしょうか、「ペシャワール会の中村哲さんの活動を見ていると、日本人もまんざら捨てたものではないと思う」との先輩に誘われて、中村哲講演会に参加したことがあります。その時、アフガンの干乾びた大地に用水路を拓き始めた活動の凄さと、天皇皇后と会見した感想を会場から聞かれ、「皇太子・妃時代にアフガンを訪問した時の思い出が深いようだ。深窓に同志を見つけた思い」との中村さんの発言が印象に残っています。その中村哲さんが無念の死。森本清彦さんが似顔絵と語録。本誌も心から哀悼の意を表します。(山内正紀)
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