【編集後記】
●今月号は緊張する日韓、米朝関係を主テーマにした編集となりました。
安倍政権の歴史修正主義に基づく外交強要、相手を見下しての輸出規制で、日韓関係が最悪の事態に至りました。発端は昨年の韓国大法院による元徴用工判決です。安倍政権は文在寅政権へ「日韓請求権協定を守れ」と声高に批判しますが、福留先生がまずこうした日本政府の論理の破綻を解説。いま一つ、強調されるのが韓国政府のGSOMIA(軍事情報包括保護協定)終了宣言で、平和的安全保障の視点から「評価」。これもマスコミ論調とは真逆なものですが、先生の「正論」こそ広めたいものです。
それにしても、情けないのが安倍政権と一体で嫌韓感情を煽る日本のマスコミ、残念なのが国民世論の同調です。この現状打破へ大きな課題が突き付けられています。『チコちゃんに叱られる』ではありませんが、今こそすべての日本国民が問われなければなりません。韓国は敵ですか?
●鎌倉先生の2回にわたる詳細な解析で、米中対立の本質が浮き彫りにされています。とりわけ「六 米中経済戦争の原因・性格、解決は」に注目下さい。米中経済戦争という新自由主義の競争戦のなかで、中国の進むべき道が提起されています。
河辺一郎先生がテーマとされたのが「あいちトリエンナーレ」。「トリエンナーレ」とはイタリア語で、その意味
は「3年に1度」。転じて3年に1度開かれる国際美術展覧会のことです。なかの「表現の不自由展・その後」が、政治家の圧力などで中止。河辺先生は中止へ圧力をかけた右派の論理と彼らが選挙に勝っている現実を俎上に上げ、リベラルに問いかけています。
●参院選について、マスメディアの姿勢を問う浅野健一先生に加え、編集部からデータをまとめてみました。新潟の大学院生である村田峻一さんは「憲法を護る」から「活かす」へと、その運動の新たな展開を提起しています。護憲運動、社民党の今後にとって大変重要な視点だと思います。
「水俣病の今日性」を寄稿頂いた新潟水俣病共闘会議の高野秀男さん。水俣条約の意義を問い、優生思想からの妊娠規制の歴史と現在を問い、「自身の生き方や将来社会のあり様」の問題として向き合う大事さが提起されています。
●間近に迫ったラグビーWカップ。中森さんからは、チケット獲得にむけた奮戦記。混戦、いや混線でしょうか? そのご苦労、お察し致します。そう言えば中森さん。うちの家族も、東京2020オリンピック競技の入場券ゲットに悪戦苦闘していましたよ。(山内正紀)
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