【編集後記】
●参議院選挙が終わりました。今月号は、総括や選挙レポート掲載のため締め切りを遅らせ、加えて印刷所の夏休みが重なったため、発行がいつもより大幅に遅れ、夏休み終了後になりました。申し訳ありません。
●7月4日に参院選が公示され、迎えた最初の日曜日。社民党・福島みずほ副党首が東京選挙区の朝倉候補とともにJR大森駅で演説会。私がチラシを配っていたら、30歳かなり前の小柄な女性に話しかけられました。「あの〜、村山富市さんは東京に応援にはおいでにならないんですか?」「もう相当にお年ですから、無理だと思いますが……」「そうなんですか。私、いま政治家の回想録をいろいろ読んでいるのですが、村山さんのが一番いいと思うんです。人柄がよくて、奥様のことも……」「ありがとうございます。本当にすばらしい人柄ですよね。村山さんは福祉政策にも詳しいんですよ」「そうなんですか。教えて頂いて、ありがとうごいます。がんばって下さい」「こちらこそ、ありがとうございました。お気をつけて」。
さまざまな出会い、出来事があった参院選。まず山崎一三さんが〈主張〉欄で結果を総括し、今後に「令和の国づくり」をめぐり闘われる安倍改憲への対抗軸を提起しています。各府県からのレポートは6つ。1人区決戦での勝利など、それぞれの特徴が示され、教訓が突き出されていると思いますので、読者会などでの総括作業の素材にして下さい。
●参院選結果を報じる新聞の見出しは「自公 改選過半数」とともに「改憲勢力2/3は届かず」。森本清彦さんのマンガのタイトルは「アベノ無念」とズバリです。
福留久大先生は、7、8月号での井手英策「幸福増税論」の論評に続き、松尾匡「反緊縮論=薔薇マークキャンペーン」を俎上に。松尾氏は、今回躍進した「れいわ新選組」代表・山本太郎氏とは理論的姉弟関係。福留先生は、社民党政策の具体性の弱さに対比して、れいわ「緊急八策」の具体性・表現の工夫・アピール力に注目されていますが、その政策のバックにあるのが「日銀の緩和マネーを福祉、医療、教育、子育て支援にどんどんつぎこむ」という松尾氏の財政論です。その弱点と正当な反緊縮論が提起されており、社民党の今後に活かしたいものです。
●今月は河辺一郎先生から「対韓輸出規制」問題、鎌倉孝夫先生から「米中対立」、金光男さんの「朝鮮半島の今」と、日本と世界情勢にかかわる貴重な論稿が満載ですので、ぜひ読んで下さい。鎌倉先生は次号に続きます(山内正紀)
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