【編集後記】
●“あたらしいリベラルにとって、こんなにチャンスにみちた時代はない。弱者を助けるから、弱者を生まないへ”と帯打たれた井手英策教授の『幸福の増税論』(岩波新書)が評判で、松尾匡教授らの反緊縮=財政出動への「薔薇マークキャンペーン」提唱とともに話題になっています。井手教授がベーシック・サービス保障へ消費税19%を主張すれば、松尾教授は消費税10%増税凍結(5%への減税)で、その財源論は“真逆”です。
今月号は、まず井手教授への論評を福留先生にお願いしました。「幸福増税の取扱説明書」とのタイトルが見事ですが、パソコンやスマホの取扱説明書は大体において読まないもの。しかし、この説明書はぜひぜひ読んで下さい。井手幸福増税論の問題点が解析されています。
●〈チーム鎌倉〉から石原健二さん。迫る日米のFTA(自由貿易交渉)と日本政府のこめ政策について論じて頂きました。先日来日したトランプ大統領が「7月の選挙後に待つ」としたFTA。こめ生産が解体的危機に直面している現状が詳述され、福留論文とともに参院選政策として生かせます。
河辺一郎先生のテーマは、天皇代替わりにともなう喧噪の中で、大きく話題にされてきた元号でなく、「日本国」。この名称の根源が問われています。
●先月号で新潟の県議選をレポートし、教訓を突き出して頂いた大塚剛さんに続いて、今月は3本。1つは同じ新潟の渡部良一さんから新発田市議選のたたかい。社民党主張にいう「後継者への引継ぎができす・・・」という課題にチャレンジし、成功した深く力強い実践です。熊本の今泉さんからは、低投票率など県全体の分析と、社民党公認候補が擁立できない困難な中での前進面が指摘され、大分の久原さんは、すこし視点を変えて、今後の党基盤拡大に「仏教」との関りを強調する戦略的なものとなっています。
●国鉄・JR労働運動に大きく貢献した瀬井公治さんが6月1日(土)に逝去、68歳。2日の通夜には間に合いませんでしたが、その日、那珂川市の斎場でお別れをしてきました。無念です。翌朝、帰京。一緒した韓国訪問や交運労協を退職し福岡に帰る際、思い出にと誘われた箱根への日帰り旅行などを思い出しつつ、心くやしくこの号を校了。瀬井さん、ありがとう。さようなら。(山内正紀)
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