【編集後記】
●本誌は今月号で創刊800号を迎えました。支えて頂いた読者、取扱者、執筆者、関係者の皆さんに心より感謝申し上げます。米朝首脳会談の開催によって始まろうとしている東アジアの新時代。その平和への流れを加速し、日本に自由・公正・連帯の価値を紡ぐため、本誌は今後も努力し発信し続けます。宜しくご支援下さい。
●トランプ大統領と金委員長の歴史的な首脳会談。浅野健一先生は、フリー記者として現地シンガポールに。シンガポール政府の呼称によれば、米朝でなく朝米首脳会談だと浅野先生(本誌は「米朝首脳会談」で行きます。済みません)。その会談、日本のメディアは戸惑い、総じて低い評価にとどまっています。それを鋭く批判するのが浅野先生で、新しい発見にも出会います。
●河辺一郎先生の論稿には、米朝首脳会談を評価する基本的視点が指摘されており共感します。日朝首脳会談では国益を唱える新聞論調の危うさを指摘。
関連して神村隆志さんの提起にも注目下さい。南朝鮮での単独選挙に反対した済州島4・3抗争は、朝鮮分断の歴史を知るうえで欠かせません。神村さんは、済州島生まれで在日の作家・金石範さんの作品『火山島』を原点にすえて、4・3の否定的評価を見直した文在寅大統領演説などを紹介しつつ、南北首脳会談の底に流れる新しいうねりを確認、日本の歴史認識を問うています。
●大分市で弁護士をされている徳田靖之先生は本誌に初登場です。冤罪みどり荘事件での無罪判決へ中心を担われ、ハンセン病国賠訴訟など人間の尊厳を保障・回復する活動に献身されています。
今回、書いて頂いたのは日本の再審法制について。先月号「主張」で訴えた狭山事件、さる6月11日に東京高裁が再審請求棄却を行った袴田事件、そして本誌の昨年7月号から5回にわたって連載された福岡事件など再審をめぐる不正義は山積していますが、飯塚事件・菊地事件も同様で、その弁護を担当されている徳田先生からの提起です。
●国家権力と熾烈な闘いを展開した新潟県知事選。渡辺英明さんの報告からは多くの教訓が汲みとれます。マルクス生誕200周年の今年にふさわしく福留久大先生が「資本論愛読の効用」。効用! 資本論を愛読して何に効くのか!? 効くための読み方は? それを知るために、まず先生の論考からお読み下さい。「天声人語」「福岡評論」など資料も面白いですよ。(山内正紀)
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