【編集後記】
●4月27日に行われた南北朝鮮首脳会談。「完全な非核化」を宣言するなど歴史的な会談になりました。その舞台になった板門店からのテレビ中継を見ながら、初めて訪朝した際、北側の板門閣から南側の自由の家に立つサングラス姿の米兵を見たときの不気味で緊張した光景を思い出しました。
それからすでに37年が経ちますが、いま朝鮮半島に新しい歴史がスタートしようとしています。今回、記念植樹で使われた土は、北は白頭山、南は済州島の漢拏山のものとのこと。朝鮮は一つ! 朝鮮半島の軍事緊張を解き、平和・非核の東アジアを! 私たちの取り組みも強めていかねばなりません。「主張」で取り上げました。
●第89回メーデー万歳! この5月1日に校了した6月号。まずは福留久大先生が加計学園問題を徹底的かつ時系列に解析。安倍政治の本質たる「情実政治」が及ぼす影響をイラク・南スーダン派遣自衛隊日報問題にも見て、情実をキーワードに安倍首相の憲法改正論理を解かれていて納得です。
先月号で安倍政権の朝鮮外交を批判して頂いた浅野健一先生。続いて今月はモリ・カケ疑獄を中心にジャーナリズムの現状に言及され、新しい発見に出会います。福留先生は「安倍情実政治との訣別」、浅野先生は「安倍政権崩壊後の政治社会体制構想を」と主張されています。[国際政治の視点]の河辺一郎先生が問うのは外交と国際主義です。
いま安倍内閣打倒へ国会デモが展開されていますが、韓国・朴槿恵大統領を倒した市民団体からキャンドルデモで使用されたLED5000個を日本の国会デモに使って欲しいとの話があったとのこと。韓国の市民運動の励ましを受けて、日本にも新しい政治への展望を築きたいものです。
●私たち日本の運動にとって根底で問われるのは、やはり歴史認識の問題でしょう。山崎一三さんの明治維新150年論の2回目、1・2月号で戦後軍事力再編の実態を書いて頂いた兒島俊郎先生の今回は、その問題をテーマにしており、読んで下さい。(山内正紀)
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