【編集後記】
●森友「決裁文書」改ざん問題で支持率急落の安倍政権。その一強政治にほころびが見えてきました。週刊誌・新聞にも「地獄の門が開いた『森友改ざん』の『アベゲート』」(週刊新潮)、「小沢一郎 森友政局を斬る! 政権崩壊は避けられない」(サンデー毎日)、「『安倍3選』に黄信号」(産經新聞)などと大きな見出しが躍っています。時は今、安倍首相の逃げきり”を許さず、政権崩壊に追い込んでいかねばなりません。
もっとも安倍政権に問われるのは森友問題だけではありません。今月号は、浅野健一先生が鮮明となった“対朝鮮外交の破綻”をテーマに、「崩壊寸前の安倍政権」を徹底的に批判。日朝友好、アジア共生へむけた歴史認識の大事さが強調されています。
●山崎一三さんからは、「文化の日」を「明治の日」に変えようする右翼勢力の狙い・歴史観を俎上にあげつつ、明治150年を総括する視点として、まず「琉球処分」を取り上げていて注目です。
琉球、沖縄といえば、山城博治沖縄平和運動センター議長らへの不当な判決(3月14日)。この裁判では、反米軍基地闘争の背景に、「1609年の薩摩の侵攻以後の400年にわたる沖縄差別がある」ことが突き出され、問われています。不当判決への批判を、当日、現地にかけつけた前海満広さんから。
●戦争をさせない・9条壊すな!総がかり行動のリーダー高田健さんは、いま森友「決裁文書」改ざんを糾弾し大きく盛り上がる国会デモでもご奮闘中です。その高田さんからの安倍9条改憲ストップ!への提起。その中では、国民投票(憲法改正手続き法)の実際が具体的に突き出され、理解が深まります。
河辺一郎先生のタイトルは「護憲派の民族主義」と刺激的ですが、9条が日本の平和を守ってきたというより「日本軍国主義から世界を守ってきたのが9条」との指摘は、日本平和国家論の内実を今一度問い直してみるべき重要なものと思います。
●つい最近の朝日新聞に、軍事研究をしない方針を表明した京都大学に対して、小野寺防衛相が「大学の研究成果を防衛に積極活用するべきだ」と反論したことが報道されていました。鎌倉孝夫先生は、こうした国家による教育介入で、日本ですすむ軍産学複合体形成を分析。それを阻止する研究者主体のあり方にも論究されています。日本社会の軍事化を止めねばなりません。
今月は他にも宮本弘典先生の「書評」、渡辺英明さんの「社民党全国大会報告」、奥節代さんから「国際女性デー」、山田俊忠さんの「原発立地自治体の避難計画」などあります。それぞれの分野の取り組みの前進に活かして頂きたいと思います。(山内正紀)
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