【編集後記】
●九州北部や各地を襲った豪雨被害に心よりお見舞い申し上げます。日本列島は豪雨と猛暑が同居しているようで、ここ東京では雨らしい雨を経験することもなく、猛暑が続く中で梅雨明け宣言。本誌はすでに9月号です。
●今月号は、福島みずほ社民党副党首にインタビューしました。都議選での自民党惨敗や安倍内閣支持率急落をうけて、改憲はどうなるのか? その行方に関心が寄せられています。福島副党首は「来年6月に憲法改正国会発議」とした保岡自民党憲法改正推進本部長の発言に注目し、「安倍改憲の動きは速い」ことを強調されました。改憲へ警鐘を乱打し、憲法擁護運動の前進を訴える福島副党首の力強い語りには励ましを受けます。
●東京都議選については、尾崎康平さんにお願いしました。各政党の結果や今後の動向分析を中心に総合的な内容となっています。河辺一郎先生の今月の〈視点〉も都議選で、安倍外交を問題視できないリベラルの弱さが指摘されています。批判されるべきは安倍首相の「奢り」だけではないと!
柴山健太郎さんからは、安倍首相がすすめる「9条加憲」論についての批判。紹介されているのが「国際社会との条約憲法」論。護憲運動にとって決定的に大事な視点だと思います。
●今年はロシア革命100年であり、『資本論』発刊150年の年。つい先日の朝日新聞に“「資本論」古びた感じ無き嘆き”という川柳が載っていました。「ロシア革命100年」を山崎一三さんにチャレンジしてもらいました。山崎さんも取り上げる英国の歴史学者・ホブズボームは、第1次世界大戦の勃発(1914年)からソ連崩壊(1991年)までを「短い20世紀」としました。100年に足りませんから短い20世紀です。第1次世界大戦から生まれたのがロシア革命で、その意味で短い20世紀はソ連の歴史でもあります。ソ連崩壊からは26年経ちますが、それを振り返り、社会改革につなげることは意義あることだと思います。社会民主主義の視点から論述されます。
●前月号から続いて小野一先生。今月号は英国総選挙後のEU離脱交渉を焦点に、コービン労働党の置かれた位置、変容する欧州政治の課題に論及されています。谷田道治さんは、森友学園・加計学園問題の背景にある教育の市場化問題について論理展開。古川龍樹さんの連載は3回目。今回は、福岡事件の再審運動に全力を注ぐ古川泰龍さんを支え、ともに闘った美智子夫人(龍樹さんのお母さん)の手記が紹介され、感動的です。(山内正紀)
|