【編集後記】
●東京都議選の投開票日の翌日7月3日、この8月号を校了しました。都議選では「都民ファーストの会」が自民党を歴史的惨敗に追い込みました。それは良かったのですが、小池都知事が代表に就任する以前のこの会の代表は「都議時代、日本国憲法の無効を主張し、大日本帝国憲法復活の請願を提出したり、日本会議の別働隊『日本教育再生機構』常務理事の肩書を利用したり、叩けばホコリが出そうだった(自民党関係者)」(月刊『FACTA』6月号)と紹介されています。自民党サイドからの指摘とはいえ、こんな会が民主政治を築けるか、心配です。
●共謀罪法の強行可決、加計学園の疑惑拡大、言葉だけの反省、疑惑解明へ背をむけ、驕り高ぶる安倍内閣を都議選が直撃しました。都議選については次号で取り上げる予定です。
今月号は、福留久大先生がタイムリーにこの加計問題を焦点化され、てんこ盛りな問題点を整理し解明されています。河辺一郎先生は、読売新聞の前川氏への人物破壊攻撃を72年外務省機密漏洩事件と比較して論及、それを許す社会の問題にまで言及されています。
●極右やポピュリズムの台頭で大きく注目されたフランス大統領選を小野一先生にお願いしました。地理的には遠いフランスですが、大統領選が分りやすく読めると思います。次号に続きます。
韓国・文在寅政権については石坂浩一先生。石坂先生は本誌4月号で、この間の韓国市民運動を「民主化過程」の中に位置づけられましたが、その過程で生まれた新政権の下、韓国政治の変化が期待されます。熊本の青木栄さんから高校生平和大使の訪韓に連れ添ったレポートが届きました。被爆2世として韓国との交流の意義・意味を問う青木さんの深い感性に感じ入りました。
●次の衆議院選(熊本2区)に、社民党から立候補予定の和田要・熊本学園大学客員教授から、発生から1年余の熊本地震の被災の現状と今後の課題。専門的知見をもとに問題点が提起され、さすがです。古川龍樹さんの連載2回目。福岡事件の雪冤・恩赦に、衆議院議員に当選して間もない土井たか子氏の活動が案内されています。増永周一さんからの白井聡「永続敗戦論」の紹介。最後に出てくる「すしざんまい」社長の話、知りませんでした。活動に生かして下さい。(山内正紀)
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