【編集後記】
●8月5日に予定されていたオスプレイ配備反対の沖縄県民大会は、台風に直撃され9月9日に延期になりました。しかし、「水は差されても火は消えない」と、沖縄現地の闘いを力強く報告いただいたのが北部地区労議長の仲里正弘さんです。仲里さんは、本誌2010年4月号「辺野古新基地建設阻止の闘いと名護市長選挙」に続いてのご寄稿。9月9日の大会は、今月号には間に合いませんでしたが、次号で仲里さんにレポートしていただく予定です。
●竹島・尖閣問題をめぐって、偏狭なナショナリズムが高まるなかで、週刊誌だけでなく新聞の紙面でも領土問題を煽る活字が踊りました。そうした中、河辺一郎先生は、「常識的な内容をあえて書かざるを得ないことが情けない」と現状を憂慮されつつ、領土問題を考える際の基本を書いて下さいました。河辺先生の「領有に関する複数の主張がある中で、ある主張のみが絶対的に正しいことはない」。この一言に溜飲が下がる思いです。先月号の「日中正常化とは何だったのか」とともに学習して下さい。
●「TPPで一番こわいのは世界穀物市場の米一極支配、そうなると米国の天候異変で一挙に投機が横行、生活難が世界化するでしょう。今年の穀物事情は、そういう悪夢の現実化といえるでしょう」とされる福留久大先生。米国では「56年ぶりの干ばつ」が襲っているとのことです。福留先生には研究のための渡米前でお忙しい時期に、苦境にある途上国最貧国への暖かな眼差しをもって、TPP問題を論じていただきました。
●飯田哲也氏の立候補で注目を浴びた山口県知事選。その結果を分析できないかと思案し、お願いしたのが、昨年12月号で「上関原発断念を―その歴史と現状」を書いていただいた木原省治さんです。木原さんは、広島市にお住まいですが、上関原発反対運動を通じて山口県の実情にも詳しく、お願い通りに詳細に分析され、かつ鋭く問題を提起して下さっています。
●かつて全国勤労者サークル協議会という団体があり、その中の青年写真家集団が薫陶をうけたのが写真家の福島菊次郎さんです。福島さんを描いた映画を見に行こうと、柏井宏之さんから提案があり、昔の青年が集いました。深海さんの映画評論は、その「ニッポンの嘘」。高根さんの「闘う仏教」での水上勉論とともに、フクシマや原発への思いが繋がっています。柏井さんも、社会的事業所について書いて下さいました。塩見さんの社民党への提起。全国で論議して下さい。(山内正紀)
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