【編集後記】
●上関原発を取り上げて欲しいという声が編集部に寄せられました。友人に相談したところ、紹介されたのが、原発はごめんだヒロシマ市民の会代表で、『原発スキャンダル』という本を出版されている木原省治さんで、メールでお願いしたら快諾して下さいました。木原さんは、広島県原水禁の常任理事も務めていらっしゃいます。上関原発をめぐる歴史、中国電力の横暴、3・11前後の動きと祝島住民の素晴らしい闘いが紹介されています。「町長選挙で50万、旅行にさそって1万円、チラシを配って5千円…」という「上関原発音頭」。面白いということでは済まされない「原発とお金」の問題を考えさせられます。脱原発については、前海満広さんからもいただきました。
●松本弘也さんから、議員定数削減と民主主義を考える論稿が届きました。橋下大阪府政の批判から始まります。与野党間で選挙制度改革・国会議員定数削減の論議も始まっている中で、社民党への提起を含めてタイムリーな内容となっていますので、お読み下さい。福留先生からは、いま焦点の消費税問題と復興財源について。これまたタイムリーな論文です。本誌・編集部も、今回の提起をしっかり受け止めていきたいと思います。
●久しぶりに労働政策研究・研修機構の呉学殊(オ・ハクス)さんにお願いしました。今回のテーマは連合が力を入れる地域協議会で、その最先端事例として新潟中越地協の紹介です。この間、呉さんには連合福岡ユニオン、札幌地域労組の活動を紹介いただいており、今回はそれに続く第3三弾ということになります。呉さんが最近出版された本が『労使関係のフロンティア―労働組合の羅針盤』で、そのエッセンスを、今後に連載いただく予定です。
●栗川治さんの「障碍者制度改革と政権交代」は、12回にわたる連載が終わります。この間、栗川さんには、障碍者制度改革の行方を丁寧に追い論評していただきましたが、最終回の今月は、その全体総括が行われている力作です。気になるのは、政権交代による障碍者制度改革の評価ですが、栗川さんはサッカーの試合に例えて、前半戦は改革チームが3点で官僚チームが1点、後半戦は官僚チームが猛然と巻き返して3対3の同点に追いつかれ、あわや逆転かというところで、最後に改革チームも粘って追加点を入れ、何とか4対3で勝利した感じである、とされています。追加点がなかったらどうなっていたか。大事なのは、やはり今後の運動です。栗川さんによると、この連載を含めて単行本にまとめる予定とのこと。楽しみです。(山内正紀)
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