「進歩と改革」No.719号   --2011年11月号--

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■主張 脱原発、9・19集会の成功を1000万人署名へ

野田政権の発足と社会民主主義政治の展望          山崎 一三

今日の朝鮮半島をめぐる情勢と特徴点            石坂 浩一

「東アジアの平和のための日韓教職員共同歴史研修と     渡辺 英明
交流の旅」を終えて  

◆マンガ CROSS-EYES 116「明日なき世界8」
うさん臭い傭兵・民兵&偽装「民主革命」?         森本 清彦

■国際政治の視点 パレスチナの国連加盟問題        河辺 一郎

◆高根 英博 作画・文・構成[戦後精神とは何だったか?]11
 ルース・ベネディクト

■鎌倉孝夫の「経済診断」分析編
アメリカの核戦略下の原子力平和利用―脱原発の実現をめざして(3)

大分における反・脱原発への取り組み            河野 康博

「第3の就労の道」でパラダイム転換を           柏井 宏之
―社会的事業所促進法で新しい労働を地域社会へ

◆映画評論 
J・マンフレドニア監督「人生、ここにあり」        深海 峯介
―精神病棟を無くした国で  

障碍者制度改革と政権交代(11)             栗川  治
―その「革命的」転換と今後の展望

●スポーツ時評 「がんばれ岡田監督」           中森 稔博

【編集後記】

「9・19さようなら原発集会」に参加しました。会場の明治公園は満杯で入れず、一緒に行った娘と、外で、公園から出発するデモ隊を応援しつつ待っていたら、福島からの上京団の女性の方がわざわざ駆け寄って下さり、「ありがとう」と握手を求められました。慌てて「お疲れ様です」と挨拶しましたが、全国の連帯がガッチリと実感できた集会でした。その集会を「主張」と「写真」で取り上げました。

山崎一三さんに野田政権と社会民主主義政治の展望について書いていただきました。文中では保守政治家としての野田佳彦首相の本質がものの見事に明らかにされています。改めて気づかされたのは、韓国併合100年の菅談話への野田氏の反対発言で、ここに野田氏ら松下政経塾グループの志が見て取れるとの指摘です。その志からは当然、「東アジアの共同」のビジョンが出てくるはずはありません。

「東アジアの共同」にとって大きな位置を占める朝鮮半島の情勢はどうなっているのか? 立教大学の石坂浩一先生にお願いしました。2012年は東アジアの政権交代期。それを前にした韓国・朝鮮を分りやすく分析していただいています。合わせて、新潟の渡辺英明さんより「日韓教職員共同歴史研修と交流の旅」の報告。江華島訪問など歴史現地研修は充実したもので、意見交流も率直に行われています。

鎌倉孝夫先生からは、「脱原発の実現をめざして」の第三弾で、今回はアメリカの核戦略下の原子力平和利用についてです。前回に続きアメリカの核戦略、そして日本での原発導入・展開の歴史が詳細に分析され、「原子力平和利用幻想の克服」が主張されています。原水禁運動・労働組合の中には今も「幻想」があるだけに、対抗するためにもぜひ読み込んで下さい。大分の河野康博さんからは、脱原発へ「有権者の3割・30万人」をめざす署名運動の報告で、それはすごいものです。

柏井宏之さんからは、社会的事業所促進法実現へむけた提起。この間、柏井さんからはイタリアや韓国の社会的企業・協同組合の動きを紹介していただいていますが、深海峯介さんの今月の映画評論「人生、ここにあり!」は、そのイタリアでの実践がテーマであり、柏井さんの論文と重ねながら読んでいただければと思います。プロ野球も大詰めです。「がんばれ岡田監督」とエールを送る中森稔博さん。私の周りには、久しぶりに優勝を狙うヤクルトや毎年低迷のベイスターズを応援する友達が多いのですが、さすがに中森さんの視点は一味違うようです。(山内正紀)