「進歩と改革」No.718号   --2011年10月号--

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■主張 菅政権の終焉と野田新政権のスタート

ヨーロッパ全域に広がる脱原発の動き            柴山健太郎
―ドイツ・メルケル政権を震撼させた福島原発震災の衝撃

被爆66周年原水禁大会を終えて              市川  修
―福島・広島・長崎・沖縄を結び、被爆も被ばくも生まない誓いを

●紹介 「放射線の健康への影響」             児玉 龍彦

■国際政治の視点 大連立・読売・原子力          河辺 一郎

◆マンガ CROSS-EYES 114「明日なき世界7」
またぞろ、亡国茶番の「大連立」妄想            森本 清彦

脱原発を宣言した日教組定期大会              今泉 克己

資本主義の近景と遠景―40年前と400年前        福留 久大

◆高根 英博 作画・文・構成[戦後精神とは何だったか?]10
 高橋和巳

◆映画評論
新藤兼人監督「一枚のハガキ」―99歳、最後のメッセージ  深海 峯介

裁判員制度の見直しについて                鎌田 明彦

障碍者制度改革と政権交代(10)              栗川  治

●書籍紹介「木の葉天目の謎」               菊地  董

TPPは日本にもアジアにも要らない(続)         木村  毅

●スポーツ時評 「郷土愛」                 中森 稔博

【編集後記】

注目の民主党代表選挙。1位海江田、2位野田の決戦投票で、大逆転の末、野田佳彦氏が勝利しました。ドジョウ宰相の誕生だそうです。それにしても民主党は鳩山・菅・野田へと交代する度にリベラル政治から遠のいていきます。河辺先生は、「政権交代は大連立で終わろうとしている」と指摘されていますが、代表選が8月29日、首班指名が30日、今月号の校了が9月1日というあわただしい日程のなかで、取り急ぎ「主張」にまとめてみました。

労働運動研究所の柴山健太郎さんにドイツを始めヨーロッパの脱原発の動きについてお願いしました。柴山さんの論稿は、脱原発の動きを表面的に追うようなものではなく、緑の党や社民党のエコロジーの主張と歴史を踏まえた内容になっており、大いに勉強をさせられます。文中に紹介されている『シュピーゲル』誌の記述。「朝には原発推進論者として目を覚ました(メルケル)女性首相が、夜には原発反対論者としてベッドに入った」とは、福島第一原発事故が与えた衝撃をものの見事に表現していて感心させられます。

福島・広島・長崎・沖縄と結ばれた今年の原水禁大会の報告は、市川修さんです。「核と人類は共存できない」とした原水禁国民会議の優位性が発揮された今夏ですが、これを9・19集会や署名など秋の行動へ発展させたいものです。柴山さんが文中で触れておられる児玉龍彦・東大教授の衆議院での参考人陳述も衝撃的なもので、紹介しました。脱原発を宣言した日教組大会の報告は、熊本の今泉さんからです。
 あのニクソン・ショックから今年はジャスト40年。福留先生は、以降の円高ドル安の動きを近景として、資本主義の遠景のなかに整理して下さいました。読者会にピッタリです。   

滋賀の鎌田さんから、「裁判員制度の見直し」について問題提起の原稿が届きました。「現行裁判員裁判による無罪判決が控訴審で覆される事例が続出すればこのような説が多数を占め、超党派による法改正がなされることになると思います。その時になって社民党が他の政党と歩調を合せるだけでは能がありません。社民党がいち早くこの説を唱え世論をリードして存在価値をアピールしてほしいと思っています」との鎌田さんからのメール。確かにその通りで、社民党や読者の皆さまにも受け止めていただきたいと思っています。(山内正紀)