「進歩と改革」No.714号   --2011年6月号--

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■主張 統一自治体選挙を終えて

東日本大震災と福島原発事故                荻野 晃也

◆マンガ CROSS-EYES 110                  森本 清彦
 「明日なき世界2」忌野清志郎、23年目の真実!

「第二の敗戦」を超えていく基本的課題はなにか       山崎 一三

4・24「脱原発集会」に参加して              阿部 浩一

◆マンガ CROSS-EYES 111                  森本 清彦
「明日なき世界3」未だに膨大な“原発利権”に巣食う、御用買弁屋!              

マルクスと東北大地震―人間社会の基本的条件        福留 久大

■国際政治の視点 「リビアと人道的介入」          河辺 一郎

長期化する様相を見せ始めた中東民主革命          柴山健太郎

石原四選で終った東京都知事選               鈴木  智
―五輪・新銀行・一極集中・原発など争点深まらず―

大阪府議会・大阪市議会、堺市議会議員選挙結果と       宮原 光一
「大阪維新の会」の躍進           

◆高根 英博 作画・文・構成[戦後精神とは何だったか?]6
仏教者の政治責任! 市川白弦

◆映画評論 「アレクサンドリア」              深海 峯介

心と社会のバリアフリー―父と私のあゆんだ職業への道    栗川  治

●スポーツ時評 それでも世の中は回っていく        中森 稔博

【編集後記】

福島第一原発の事故が終息しません。「日本の技術力はこんな程度なのか?それとも事故の実情が予想もできなかったような複雑な状況なのか?」と問いかけながら、荻野晃也先生が、前月号に続いて書いて下さいました。署名が嫌いと言われる先生がそれでも署名された菅首相宛ての提言書も紹介されています。現在の放射能汚染に注意を喚起し、幼児・妊婦への緊急対策を提言されたものですが、政府・マスコミ報道とはまったく違う放射能汚染の深刻さが示されています。

森本清彦さんのマンガ・CROSS―EYeSは、「明日なき世界」シリーズで、今回は3頁の特別版です。2年前に亡くなった忌野清志郎(いまわのきよしろう)が歌った反原発ソングがテーマに取り上げられています。「原発、危ねえ、欲しくねえ」というこの歌、福島原発事故の後、にわかに注目を集めていることは朝日新聞でも紹介されましたが、森本さんはずっと以前から注目されていました。
 山崎一三さんは、今回の原発事故を「第二の敗戦」ととらえて、「危機の時代」を招いた原発利益共同体を暴き、「希望の時代」へと転換する民主主義と市民の力の大事さを提起しています。長年、新潟の地で、反原発・脱原発の運動を展開されてきた山崎さんならではの鋭い提起となっていると思います。
 福留先生の「マルクスと東北大地震」。意外な取り合わせのようですが、さに非ず。マルクスの「災害保険論」の紹介をもとに、先生の共同体関係論へと展開されています。

大震災と原発事故で新聞紙面が埋め尽される中、国際面ではリビア問題が焦点化しています。今月は、このリビア問題に関し、河辺一郎先生と柴山健太郎さんの二つの論評が揃いました。
 被災地を除く統一自治体選が終わり、東京と大阪の前半戦の選挙結果をレポートしていただきました。次号も各地から報告いただく予定です。

「障碍者制度改革と政権交代」を連載中の栗川治さんが、第45回NHK障害福祉賞優秀賞を受賞されたことは1月号の編集後記でお知らせしました。この受賞作品を是非、読者に紹介したいと思い、NHK厚生文化事業団の了解を得て、掲載することができました。昨年亡くなられたお父さんとの葛藤から感謝へ至る思いが綴られているとともに、バリアフリーについての理解も深まります。連載はお休みです。