【編集後記】
●辻元氏の社民党離党表明。わが編集部にも怒りと戸惑いの電話が相次いでいます。日本における社会民主主義政治の前進を求め、社民党の改革をめざす『進歩と改革』誌としては、ここは辻元氏を明確に批判すべきで、「主張」でとりあげました。
●今月号のメインは参院選総括です。山崎一三さん、衣笠哲生先生にお願いしました。山崎さんからは、鳩山内閣や民主党の分析、社会民主主義の課題についても提起いただいています。衣笠先生には、詳細な図表を使って、参院選の投票結果・特徴をトータルに紹介いただきました。各地の読者会で討論していただきたいと思います。
●参議院選結果を受けて再現した「ねじれ国会」。菅政権の立位置が問われています。私などは、菅政権が三党連立政策合意の精神に立ち戻り、社民党の協力を得て衆議院再可決をめざせば良いと単純に思うのですが、なかなかそうは行かないようです。
その菅政権の「第三の道」「新成長戦略」について、鎌倉先生に触れていただきました。なかでの注目点は菅首相のブレーンとされる神野直彦、また宮本太郎氏の主張への批判でしょうか。読者のなかには、神野、宮本ファンもいらっしゃると思いますが(実は私もそうです)、ここはじっくり鎌倉先生の論を読み込んで下さい。
柏井宏之さんの「古い公共と新しい公・共」にも、菅流「第三の道」批判が展開されています。こちらはA・ギデンズの説に照らしての批判ですが、資本・国家・労働者の関係を問う鎌倉先生、公・共・私の関係を問う柏井さん、双方に重要な問題が提起されています。
鳩山政権下で「もんじゅ」が再稼動しました。原子力資料室の伴英幸さんに、「もんじゅ」についての問題点を分かりやすく書いていただきました。
●化学産業複数組合連絡会議による『組合潰しと闘いぬいた労働者たち』が発刊されました。以前に連絡会議議長の末吉幸雄さんが来所され、紹介を要請されていたのですが、なかなか果たせず気掛かりだったものです。今回、高岡さんにお願いしました。本のあとがきに「我々の運動は後世に記録として残すべきである。我々はそれだけの運動をしてきた。日本の労働運動を再生するためにも一石を投じよう」と発刊を決定したとあります。それだけの内容の詰まった本で、是非読んでいただきますようお願いします。 (山内正紀)
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