【編集後記】
●5月3日の憲法記念日。東京では日比谷公会堂で市民団体共催の集会と銀座パレードが行われましたが、私は同時刻に日本教育会館で開かれた平和フォーラム主催の集いに参加しました。
今年の記念講演のお一人が本誌に「国際政治の視点」を連載中の河辺一郎・愛知大学教授。こちらの集いは、日比谷の集会ほどにぎやかなものではありませんが、じっくり講演を聞け、学習できるのが良いところです。私にとって、河辺先生のご講演を聞くのは初めてでしたが、敗戦に至る歴史認識に加え、戦後の日本外交の実際を問わずして、未来は築けないとされるお話は印象的でした。河辺先生の主張を、本誌でじっくり味わって下さい。
● 今年が安保改定50年なら、三池闘争からも50年です。最近、熊本の先輩から送ってもらった国労熊本・40年の証言『錆色の路』(91年刊)にも、「三池争議には、それこそ泊り込みで行きました。その当時、はじめてヘルメットをかぶりました。熊本にはヘルメットがなかったものだから、福岡の市内に買いにいったのを覚えとります。ヤッケというのも、その時初めて着たんです」との話が載っていました。
三池との忘れられない出会いをされた方は、読者のなかにもいらっしゃると思います。ご自身の原点は三池にあるとされる高木郁朗先生に、三池闘争を踏まえた戦後労働運動・脱労働社会の総括視点と新たな労働社会への展望を論じていただきました。
三池闘争が闘われた60年は、福留先生が東大入学の年のようです。福留先生の恩師が大内力先生。私の若い頃、大内先生の『国家独占資本主義』を読んだことがありますが、その大内先生の逝去を偲びつつ、大内理論のなかから人間労働論に触れていただきました。
●浅野健一先生の論文は、『マスコミ市民』3月号鼎談の発言への批判です。私も『マスコミ市民』の編集人とは昔からの親しい知り合いで、本も送ってもらい、先生ご指摘の三月号も読みましたが、その時に感じた疑問が解けました。
武本さんと山崎さんよりの二本の現場リポート。原子力行政の矛盾と反・脱原子力運動の構造転換の必要性を指摘する武本さん、高校生の就職難に心痛しつつ、現代高校生気質にも触れた山崎さん、このような現場からの報告をどんどんとお待ちしています。
本誌は、毎月1日が校了日ですが、5月1日は印刷所がお休みで、連休明けの6日の校了となりました。そのため、いつもより少し発行が遅れます。ご容赦を!(山内正紀)
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