【編集後記】
●鳩山連立政権最初の予算を審議する通常国会が始まりました。社民党政策審議会事務局長の横田昌三さんに「2010年度政府予算案の特徴と課題」について書いていただきました。わずか衆議院七議席の社民党が鳩山政権に参加してどれ程のことができるのかという議論がありますが、三党政策合意に基づき「いのちを守る」内容で前進があることを知ってほしいと思います。もちろん、防衛費の削減に手がつけられていない等の問題点も多くありますが。横田さんは、内閣官房専門調査員としてご活躍中で、多忙ななか本誌のために時間を割いていただきました。
●鎌倉孝夫先生の「経済診断」は、今月は「デフレ・スパイラル―脱却はいかに」。週刊『エコノミスト』(2月2日号)が「デフレの経済学」という特集を組んでいます。そのなかに「経済学で理解する マルクス」とのページがあり、的場昭弘神奈川大学教授が、デフレ経済の理解のためには、マルクス経済学者である故侘美光彦教授の本「『大恐慌型』不況」の読み返しを!と指摘しています。この侘美教授のデフレ理解は、鎌倉先生がかつて本誌で批判されていたもの。デフレに対する曖昧なとらえ方が拡散しているなかで、鎌倉先生の所論を是非学習下さい。
今日の経済危機を克服するために求められるのは格差是正・貧困の克服、賃上げです。非正規雇用と労働者派遣法をめぐる問題点を全日建連帯労組の小谷野書記長にインタビューしました。
春闘については、連合を中心とした動きを野尻和夫さんに。
●新連載が二つ始まります。一つは高根英博さんの作画・文章による[分裂するイメージ]です。近代の朝鮮・韓国の抵抗のなかで斃れた人々=斃れざる人々がテーマです。高根さんは、本誌に連載されたマンガ「グラムシ」「ローザ」の作者で、『ローザ・ルクセンブルク』は、一昨年末に単行本になりました(同時代社刊)。そのなかに近代朝鮮・韓国の烈士の肖像画が紹介されており、掲載をお願いしたところ、[分裂するイメージ]として新たに構成して下さいました。
●もう一つは、深海峯介さんの映画評論。先日、娘が「クロカンは面白い」と言っていました。黒寛は面白い? エッエッーと思って聞いてみたら、やっぱり間違いで、クドカンは面白い、宮藤官九郎、脚本家で俳優、そして映画監督だそうです。昨年の映画興業収入は三年ぶりにプラスに転じたとのこと。本誌も映画を取り上げます。深海さんの評論は来月はワイダ監督の「カティンの森」の予定。高根さんの作品とともに、ご期待下さい。(山内)
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