【編集後記】
●サクラの開花が早いと伝えられたらと思ったら、寒気の戻りでお預け、それでもサクラは咲くでしょう。政権交代はもう確実と思ったら、小沢秘書逮捕、起訴で、わからなくなりました。そんな手が残っていたか――という感じ。「主張」と鎌田さんの投稿、マンガでとりあげています。
自・公政権がもたらした貧富の差の拡大の中で、セーフティネットの網の目の目が破れています。他の先進国ではどうなのか、河野正輝先生に聞きました。実は欧米でも危なくなっているようですが、彼らはいろいろ努力と工夫をしているようです。特に社会保険と公的扶助の間にもう一つのネットをはりつつあるとのこと。日本ように、健康保険に金がかかると、病院では老人が遊んでいると亡国論を流し、医者をへらし、今になってあわてて医者を増やそうというのとは違うようです。日本では一部の利益のためにご都合主義の宣伝がされるようです。
●九州の二つの市で市議選がありました。大分市と北九州市です。社民党もがんばりました。小沢秘書逮捕前で民主躍進、自民没落の傾向が共通していたようです。そのレポートを掲載。6月に尼崎市、7月に東京都議選と続きます。総選挙と共に一つ一つを大事に闘っていかねば。
その尼崎市で、30まで減った保育園をさらに9まで減らす計画が具体化され、これに反対する保護者から寄稿がありました。住民の声を聞く場を持っても形式的だけで、実際は計画に変更なし。白井市長は元スチュワーデスで、市民派のはずでしたが、一体どうしたことか。
●河辺一郎先生の「国際政治の視点」は、ソマリア沖の海賊対策。この問題は国連の場ではどのように議論されたか、日本は何を言ってきたか、大統領選に負けたブッシュパパとブッシュ息子は次の大統領にどんな置土産を残したか、なかなかそこまで気がつかないことを知ることができます。
中国の空母保有の動きと日本のヘリ空母の就役。後者は日本の大手メディアではあまり大きく取り上げられません。中国については、インターネットの世界で非難ゴウゴウ。不祥事続きの海自は静かに既成事実の積み重ねか。
「資料」は野党共闘、選挙共闘、政策協定に関するものです。ご参考までに。
●「鎌倉孝夫の経済診断」、今月は理論篇。今の経済危機は恐慌なのか、という質問に答えます。読み捨ての推理小説やエッチな小説を読むようなわけにはいきません。ちょっと歯ごたえがありますが、頭の体操にはいいのではないでしょうか。マルクス時代の恐慌と20世紀の帝国主義の時代以後では現われ方が違うようですが、危機は深刻化しているようです。
●編集子の「編集50年」は編集後記を長くしたような、運動史の読み物的な感じでもあり、推理小説やエッチな小説とまでいきませんが、楽に読める頁にと思っています。
毎号欠かさず続いているのが、森本さんのマンガと中森さんの「スポーツ時評」。ツナ渡りのツナを引っぱりあげたり、引っかけて引きおろしたり、スポーツの方では潔く? 引退した男、さてどこへ行く。(松本)
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