「進歩と改革」No.678号   --2008年6月号--


■主張 後期高齢者医療制度廃止の運動を徹底的に広げ
弱者いじめを全面転換する突破口にしよう


後期高齢者医療制度を廃止し日本の医療を再建しよう     阿部 知子

社民党が市民に必要とされるために             山口 たか

◆マンガ 「反日映画!」一犬虚に吠えれば、万犬それに倣う 森本 清彦

米国金融危機と東アジア経済統合              蜂谷  隆
―共通通貨戦略が求められている

道州制ビジョン懇談会中間報告の概要と問題点        上林 得郎

崩壊する地方からの告発                  森本 和芳

「石原銀行」は延命できるか                尾崎 康平

毒入り餃子と市場圧力―「社会」の周辺の逍遥        福留 久大

教育基本法改悪後の学校教育の変質(上)          今泉 克巳

続・地球温暖化騒動を考える(2)               伊藤 善規

◆スポーツ時評 「残心の心」               中森 稔博

【編集後記】

今月の「主張」は、後期高齢者医療制度の廃止と小泉以後の政治の転換を求めるというもので、このテーマを決めた4月初旬には鮮度ピカピカに思われましたが、山口県の衆議院補選を経て、読者の手に届くころには当たり前になっているかもしれません。しかし、主張していることに間違いはなく、必要なことと思っています。
 阿部知子・社民党政策審議会長の「後期高齢者医療制度を廃止し、日本の医療を再建しよう」は、「主張」の基礎をなすもので、深刻な問題をとりあげて委ますが、おもしろい語り口で、読みやすいと思いますので、運動の展開の裏づけとしても是非お読み下さい。
 社民党北海道連合の山口たかさんの「社民党が、市民に必要とされるために」は、昨年12月の社民党全国大会で氏が発言され、注目された論旨について本誌の読者のためにもち、お願いしたものです。山口さんは次の衆院選にも比例区北海道ブロックの予定候補に決まっており、ぜひ国政に登場していただきたい方です。

「米国金融危機と東アジア経済統合」はこの間、本誌にも東アジア共同体について執筆をいただいている蜂谷隆氏に今日の経済危機と関連して、今後の中長期的な方向性をとお願いしたものです。東アジア共通通貨の提起は本誌も今後の視野におきたい課題と思います。
 「道州制ビジョン懇談会中間報告の概要と問題点」は、地方自治の問題を研究され、本誌にも書いていただいている上林得郎氏にお願いしたもので、このビジョン懇の報告は新聞にも載りましたが、氏の文章を読むと、問題が多いことを改めて感じます。懇談会は「財界人に囲まれて論議しているようだ」との感想の紹介や「分権」の美辞麗句があふれるなか、『住民は株主であると同時にお客様』という言葉に表れている住民主権からはほど遠い感覚、しかも市町村のさらなる統合や府県の解体など市民に深い関係のある問題を10年後には実施してしまうという日程など、どこでそこまでと思います。

「崩壊する地方からの告発」は医療の崩壊とニワトリとタマゴの関係(阿部知子氏)の地方の崩壊について問題の所在を、数字も伴ないながら的確に指摘。
 尾崎康平氏の「“石原銀行”は延命できるか」はもちろん石原東京都政の問題。「石原を悔やみ始めた有権者」――いまからでも遅くないと思います。石原慎太郎などに地方政治の家父長のような顔をしてもらいたくありません。
 福留久大先生の「毒入り餃子と市場圧力」は4月号の津田道夫氏の「毒入りギョーザの向こう側」に応える内容で、編集者がこの問題をと思いを込めてとりあげたものに注目をいただき、とりあげた甲斐があった気がします。
 今泉克己氏の「教育基本法改悪後の学校教育の変質」は医療や地方の崩壊=荒廃を前に教育も、小泉・安倍の「改革」=教育基本法の改悪により荒廃させられていく道筋が敷かれています。教育の内容を決定する権限を時の政府が握り、国際的に通用することを名分に学校現場に競争原理を導入し、教師も競争と監視の下におく、酷い話です。(松本)